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投資信託がまだ小学生だった頃・・


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

あなたが生まれるずっと前、
投資信託はまだ『小学生』でした。

今、私たちが
「投資信託」と呼んでいる商品とは、
ずいぶん違ったカタチをしていたのです。

膨大な時間と、
さまざまな人の知恵が折り重なって、

投資信託はようやく、
今のカタチに落ち着いたというわけ・・。


さて、
投資信託がまだ『小学生』だった頃、
すなわち1900年代初頭のころは、

米国では
株式市場に上場するタイプの投資信託、
クローズド・エンド・ファンド」が主流でした。

えっ、
クローズド・エンド・ファンドって?

あっ、すみません・・、

シンプルに言いますと、
市場に上場した
【アクティブ・ファンド】
のことですね。


一例を挙げてみましょう。

「ABCクローズド・エンド・ファンド」は
ファンドが運用を開始する際に、
【口数】の募集を行います。

クローズド・エンド・ファンドでは
【総口数】が予め決まっていますから、
「ABCクローズド・エンド・ファンド」を
売買したい人たちは、

株式市場の中で
ひとつの銘柄」として、
このファンドを売り買いするわけです。

(今日の投資信託と違って、
ファンドを買っても売っても、
【口数】が増えたり減ったりするわけではない)

ちょっと、今のREIT
(不動産投資信託)と
似ているところがありますね・・。

closed-end-funds.png


また、当時は
『ファンドを運用する会社』が、
ファンドの資産も管理していました

ん?
これって、
なにやら怪しい予感が・・。

今、
あなたとわたしが
「ABCクローズド・エンド・ファンド」を
運用しているとします。

ファンド内には
たくさんの株式とキャッシュが存在します。
今ざっと数えてみると・・、
資産は340億円ありました。


そこでわたしの中の
悪魔があなたに囁くのです。

「あのさ、500万円くらい僕たちが使っても
分かんないんじゃない?」


fraud.jpg

実際、米国では
「クローズド・エンド・ファンド」の
運用会社が、

ファンド資産を使い込む不祥事が
何度も起こったそうです。

<まさに性悪説?>


このような不祥事の反省から
後年、【ファンドを運用する会社】と
【ファンド資産を預かる会社】を、
分別することが徹底されました


さらに当時の
「クローズド・エンド・ファンド」は、
借金をして元手を増やして
運用を行うことが可能でした。

(つまり、レバレッジを掛けた投資だったのです)

そして、
当時の「クローズド・エンド・ファンド」の
最大の問題点は、

ファンドの【正味価値】と、
ファンドの【取引価格】が
しばしば乖離してしまうことでした。


たとえば、
「ABCク・エンド・ファンド」の本当の価値
(正味価値)は、

「ABCク・エンド・ファンド」が組み入れている
株式の価格を合計し、
それを口数で割れば算出できるはずです。

(キャッシュは持っていないと仮定・・)


ところが、
「ABCク・エンド・ファンド」は
市場に上場する【ひとつの銘柄】であるため、

需給によって
【取引価格】が
しばしば高くなりすぎたり、
安くなりすぎたりしていたのです。

(今のETFと違って、
取引価格を制御する仕組みも
持ち合わせていませんでした・・)

投資家としては、
自分が適正な価格で
ファンドを売買しているかどうか、
きわめて分かりにくいですね。


そんな折、
繁栄を謳歌してきたアメリカ経済に
嵐が吹き荒れました。

1929年10月24日、
株式市場の大暴落が起こったのです。

当時上場していた
「クローズド・エンド・ファンド」は、
借金をして運用を行っていたため、

また、ファンドの【正味価値】と比べ、
ファンドの【取引価格】が
高騰していたために、


いったん株式市場の暴落が起こると、
つるべ落としのように
ファンドの取引価格は暴落し、
制御が効かなくなってしまいました・・。

Open-End-Mutual-Funds.png


この大恐慌を教訓に、
アメリカでは投資信託の
【正味価値】のみをファンドの価格とする
オープン・エンド・ファンド」が台頭してきます。

つまり、
『投資信託の価格っていったい何なの?』
という命題に対して、

それはシンプルに、

ファンドが組み入れた
銘柄の価値を反映させたもの。
という【答え】を示したわけです。


「オープン・エンド・ファンド」の価格は、
1日に1回、
ファンドの【正味価値】として算出されます。

株式や債券のマーケットが閉まったあと、
ファンドが組入れている
株式、債券の価格を足し合わせ、
総口数で割って出されるのです。

(現金部分、借入れ部分がないと仮定)

また、
『信託』という仕組みを取り入れ、

【ファンドを運用する会社】と
【ファンド資産を預かる会社】が
完全に分離されました・・。


そして、
「オープン・エンド・ファンド」では、
ファンド購入者は
いつでも「口数」を購入でき、

あなたのお金は
ダイレクトにファンド内に流入します。

逆に、ファンド保有者は
いつでもファンドに直接
「解約」を申し出ることができます。

あなたのお金は
ストレートにファンド内から出ていきます。
(そして、その分
ファンドの口数は減少するわけです)


投資信託が投資家に対して
いつでも【オープン】な状態、

いつでも「売り買い」が
できる状態という意味合いで、
【オープン・エンド】という呼び方をするわけですね。

いつでも【正味価値の価格】で、
金融商品を売ったり買ったりできるということは、
投資家にとっては大きな「安心感」につながります。

長い長い年月をかけて、
ようやく投資信託はオトナになったわけです・・。

似顔絵




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