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ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)を分析します!


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

たまには具体的な投資信託を挙げて、
中身をテッテイ分析してみましょう。
今日はこちら!
ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)】

いつでも、どんなときも、
あなたがその『投資信託』について
知りたいと思ったら、

何を見ればよいのですか?

ハイ、
まず【運用レポート(月報)】を見る!

こちらが、
ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)の
月次レポート」(2015年4月30日現在)です。


上記レポートの冒頭で、
当ファンドのみっつの特色が述べられています。

1.主に新興国の高配当利回りの株式に投資します

2.特定の銘柄、国や通貨に集中せず、分散投資します

3.毎月決算を行い、収益分配方針に基づき分配を行います


(なるほど・・)


続いて、
ファンドの【騰落率の表】を見てみましょう。

当ファンドは
2008年1月31日に運用をスタートさせています。

運用開始以来の騰落率は+8.60%。
(ちゃんとプラスになっています!)


が、当ファンドは現在、
1万口あたり、
『毎月75円も分配金が出ていますよ。』


はい、今、
○「嬉しい!」と思った人?
○「えっ、マジ大丈夫かな?」と思った人?

(そもそも)
『分配金の原資』っていったい何でしょう?

「はい、ファンドが保有する
 新興国株式の配当や値上がり益です。」

その通り・・。


ところで、
新興国株式の配当や値上がり益って、
あらかじめ確定していますか?

「いいえ、確定していません・・。」

その通り・・。


つまり??

つまり、

【不確実な】リターンを前提にして、
毎月【確定した】分配金を出している。



んー、ちょっと日本語的にヘンですね。

ファンドの価値の上昇分以上に、
『分配金』を出してしまえば、
『基準価格』はじりじりと下がってしまいます。


当該ファンドの場合、
2012年1月9日現在、
基準価格は 4,886円 でした。

2015年5月20日現在、
基準価格は 3,808円 です。

どうしてこんなに
『基準価格』が下がっているのか?


新興国の株式は
2012年に比べて持ち直してきていますよ。
為替もどちらかというと「円安」傾向ですし。

カンさん、簡単ですよ。
⇒それは【分配金】を
ファンドの儲け以上に出しているからデス。


また、注意が必要なのですが、
分配金の額というのは、
ずーっと「一緒」とは限りません。
運用会社さんが任意に変更したりします。

『ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)』は、
2011年6月までは、
60円の【分配金】でした。

(へえ~、そうだったんですね)


先ほどの「月次レポート」のところ、
(2015年4月30日現在)

【設定来の推移】のグラフを見て頂くと、
2011年中頃から、
『基準価格』が下がり始めたのが分かります。

(あれ?)

そして、
うすいブルーの『純資産総額』が、
右肩上がりに増え始めたのも分かります。


そうです、
毎月75円の【分配金】になってから、

⇒ より多くの人が、
この投資信託を買うようになったのです。


ただし、
この時点から、

ファンドの『基準価格』そのものは
下がり始めているのですよ。

なんだかヘンだと思いませんか・・?

what is indices


うがった見方をすれば、
運用会社さんが
【分配金】を増やし始め、

「ほら、見てください!
【分配金利回り】がすごく良くなっていますよ。」
というメッセージと共に、

販売会社と協力して、
多くの無知な運用者のお金を集めて、
そして、
『純資産総額』を増やしていった・・

という【戦略】に見えなくもありません。
(皆さん、よーく考えてみましょう。)


当該ファンドは、
運用会社、販売会社、受託会社、
三社の『取り分』(報酬)として、

【運用管理費用】が
実質、最大年1.992%程度入ってきます。


金融機関の
『利益の源泉』としては、

とにかくファンドに多くのお金を集めること
(= 純資産総額を増やすこと)が大切で、

このファンドの場合、
ファンドの価値
(= 基準価格)が下がっていくことは

あまり意に介していないように
わたしには見えます・・。


ところで、
いくらなんでも、

運用管理費用が
実質、最大年1.992%程度って
高すぎると思いませんか?

実は、
ピクテ新興国インカム株式ファンド(毎月決算型)は
『ファンド・オブ・ファンズ方式』を
採用しているのです。


これは、
当ファンドそのものの運用管理費用
年1.2075%に加え、

投資先である
「新興国ハイインカム株式ファンド」と
「ショートタームMMF JPY」の
運用管理費用が
別途かかってくるということ・・。

それって??

ハイ、けいぞくコストを
【二重取り】されているということです。


<以下、ちゃんと月次レポートに記されています>

運用管理費用
(信託報酬)
毎日、信託財産の純資産総額に
年1.242%(税抜1.15%)の率を乗じて得た額とします。

(中略)

[運用管理費用(信託報酬)の配分(税抜)]
 委託会社  販売会社 受託会社
年率 0.35% 年率 0.75% 年率 0.05%


投資対象
とする
投資信託証券

新興国ハイインカム株式ファンド 純資産総額の年率0.75%
ショートタームMMF JPY 純資産総額の年率0.3%(上限)

(上記の報酬率等は、今後変更となる場合があります。)

実質的な負担 最大年率1.992%(税抜1.9%)程度
(この値はあくまでも目安であり、ファンドの
実際の投資信託証券の組入状況により変動します。)


ここ、今日
いちばん大事なところなのですが、

上記、引用部分で
抑えておくべきポイントは たったのふたつ。

1.運用管理費用(信託報酬)の
数字が
2つ以上ならんでいます!


年1.242%
年率0.75%
年率0.3%

また、

2.【実質的な負担】という文字が確認できます!

このふたつがチェックできれば、

その投資信託が
『ファンド・オブ・ファンズ形式』で
あることが分かります!

つまり、あなたは、
【けいぞくコストを二重に支払っている】
ということ。


続いて、「月次レポート」の1ページ目、
【資産別構成比】のところを見ると、

当ファンドの実質的な投資先である
「新興国ハイインカム株式ファンド」には
97.8%投資を行っていますが、

「ショートタームMMF JPY」
(いわゆる円建てMMF)には
わずか0.9%しか投資をしていません。

なんですか、これ?


わたしには、
わざわざ
『ファンド・オブ・ファンズ形式』とするために、

この「ショートタームMMF JPY」を
付け加えたとしか思えません・・。


(また、ファンド・オブ・ファンズ形式にしたほうが
分配金の原資を増やしやすいという
「からくり」も実はあります)


当該ファンドの「説明ページの上部に、
次のようなキャッチコピーが刻まれています。

bnr_shinkoin_ftop.jpg

(カン・チュンド、絶句・・)。


もう皆さんご存じの通り、
【分配金】とは、
ファンド内部から
引き出されるお金のことであり、

それはあなた自身が
ファンドの成長の原資を降ろして
受け取ることに他なりません・・。


また、当該ファンドの場合、
『ファンド・オブ・ファンズ形式』であり、

コストが極めて高くなっている点を見ても、
「まるで良いところがないファンド」と云えるでしょう。

似顔絵




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