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インデックス投資ナイト2015(第三部はカニ味噌のように濃かった?)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

7月4日(土)
お台場の東京カルチャーカルチャーにて
【インデックス投資ナイト2105】が開催されました。

まずは当イベントの準備等
一切を取り仕切られた

実行委員の水瀬ケンイチさん、
イーノ・ジュンイチさん、
kenzさん、ASKさん
本当にお疲れさまでした!

(このイベントが
金融機関のスポンサーなし、かつ
非営利で開催されているということ、
とっても重要です!)


また、第1部~3部を通しての
『生ライブの感覚』は、

以下のTogetterをお読みいただければ
十分伝わると思います。

【インデックス投資ナイト2015
~インデックス投資家はお台場集合!!~】



IMG_2346_mini.jpg


さてさて、わたしは
第三部の座談会
『アセットアロケーションの考え方ってどうすればいい?』
司会をさせていただきました。

まず思ったのが、
【完全なパッシブ運用というものはない。】
ということ・・。


たとえば、ですよ、
日本株式、先進国株式、先進国債券という、
個々の投資対象そのものは、

『時価総額比率』(パッシブ)であっても、
それらの資産を組み合わせるのは誰ですか?

あなた、ですよね。

組み合わせる本人の
【主観】が存在し、
組み合わせを決定する時点で、
(もう)完全なパッシブではなくなるわけです。


たとえば田中一郎さんが、
株式部分に関しては
バンガードトータルワールドストックETF
(VT)を購入したとしましょう。

これって、
ピュアなパッシブ運用
(時価総額比率)であるとわたしは思います。

しかし、
VTにプラスして
外国債券をいくら組み入れる?

無リスク資産は何割?
と決めていく過程で、

やはり、
(資産全体で見ると)
アクティブ部分は存在するわけです。


じゃあ、
もっと風呂敷を広げて、

バンガードトータルワールドストックETF
(VT)の
【債券版】みたいなモノを作って、

 ↑ ホント、あればいいと思う。


○ 全世界株式ETF
○ 全世界債券ETF

そしてさらに、
その株式と債券の
組み合わせの【比率】も、

世界の
株式マーケットの時価総額と
債券マーケットの時価総額の
【比率】に合わせて

自身のポートフォリオとしたら、


「かなり、
ピュアなパッシブだなあ・・」

と云えるかもしれません。

(しかし、この場合、
投資家の『リスク許容度』は無視されるわけです!)


ところで、
第三部の議論のコアな部分は、

複数の投資対象があるとき、
これらの
組み合わせ方】として、

○ 時価総額比率 がいいのですか?
○ ミーン・バリアンス ですか?
○ 均等比率 なのですか?

というものでした。

hd_agenda.png

ミーン・バリアンスに関して、
わたしは山崎さんに

「各資産の期待リターン、リスク、
相関係数のデータって、
個人投資家は
どうやって入手すればよいのですか?」

とふってみたのですが、
山崎さんからは
直接的な回答はなかったような・・(残念)


山崎さんと水瀬さんの共著
『全面改訂 ほったらかし投資術』の中で、

プロが使っている
概ね平均的な数字を使って、
リスク資産部分の
アセットアロケーションの比率を求めると、

率直にいって出てきたベストな数字は
「内株:外株=4:6」でした


という箇所があるのですが、

そのプロが使っているデータって、
どんなモノ? いくらぐらいするの?

という部分も出来れば聞きたかった・・。


また、
小松原さんの話の中では、

「リスク(標準偏差)は、
過去のデータをそのまま
未来について使ってもOK
(= 同じ水準と見なしてよい)」


というのは、
個人投資家にとって
とても重要なひと言だったと思います。

あるいは、

各投資対象について、
だいたいのリスクの目安は、

新興国株式30%
先進国株式20%
国内株式 20%
先進国債券10%
国内債券5%くらいで見積もってよい。

そして期待リターンは
だいたいリスクの0.3〜0.4倍。


というお話も貴重でしたね。


あっ、もちろん、
『アセットアロケーション』の
構築に関しては、

<どれくらいのリターンが必要?>

から求めるのではなく、

どれくらいのリスク(変動幅)ならOK?
から求めるべきものですよ。

asset-allocation.jpg



あなたの資産運用を大枠で捉えると、

リスクの大きさを
大筋で決めるのは、

株式と債券、
(あるいは)
株式と無リスク資産の【比率】なのです。


また、
金野さんのお話で印象的だったのは、
バンガードは基本、
時価総額比率の考え方であり、

時価総額比率以外
(たとえばスマートベータなど)は
アクティブであると判断している点です。

(蛇足ですが、金野さんは
バンガードに入社される前は、
個別株ばかりやっておられたのだそう・・(^^;)


次に、
アセットアロケーションを
固定にするのか、
一部変更してもいいのか、

という点についてですが、

山崎さん、小松原さんは
 
±10%程度の変動幅で
「リ・アロケーション」してもよい、
ということでした。

んー、これをしてしまうと、
【リ・バランスの動機付け】が
希薄になるとわたしは思うのですが・・。



次に、
わたしは小松原さんに聞きました。

わたし)
例えばeMAXISバランスのような
8資産均等配分、
小松原さん、これはどうなんですか?

小松原さん)
まったく意味がないと思います。


これには驚きました(-_-;)


たしかに、
「アセットアロケーション」そのもので
リスクの大きさを把握することは重要です。

(実際、
eMAXISバランスのリスクは
けっこう大きいですし・・)

しかし、
それを承知できるなら、
『均等配分』もありなのでは?


大きく「資産市場」を俯瞰してみますと、

各アセットクラス間の
【時価総額】(市場の大きさ)には
大きな開きがあります。


世界の資産市場で
もっとも大きなマーケットは
(意外にも)債券です。

次いで株式ですね。

REITのマーケット規模というのは、
(債券、株式に比べると)
ほんの微小なものなのです。


したがって、
eMAXISバランス(8資産均等型)を
保有することは、

「REIT効果」を狙う、
ということでしょう。
(良い・悪いは別として・・)

また、
「円資産効果」を求める、
ということでもあります。
(eMAXISバランスにおける
円資産は37.5%)

photo20150705.png

(第3部 当日の様子・・)


どなたかが
ツイッターで呟いていたことですが、
今回の座談会では、

ひとつの資産内の話と、
異なる資産間の話が、
ちょっと混同していた感があります。


(この点、大いに反省・・)

【追記 2015.07.10】

つばささんが、第3部座談会について、
丁寧な用語集を作ってくださっています。
インデックス投資ナイト2015の用語集を作ってみたよ!


そういえば、
小松原さんが会場の皆さんに
即席でアンケートを取っていましたが、

1000万円に対する許容損失額は、
マイナス300万円が最多でしたね。

(ふつう、同じ質問をすると、
マイナス200万円が最多となるそう・・。
やはり会場の皆さんは『リスク許容度』が高かった。)


最後に、この第三部を振り返って
わたくしカンは、

パッシブ【passive】の意味について
今一度、考えさせられました。

自分からは積極的に働きかけないさま。
受動的。


これは passive の日本語訳です。


その心って何なのでしょう?

すべてを市場そのものの動向に委ねている、
ということではないでしょうか。

そこには、

そもそも
【最適解】など、求めていない
という精神があります。

【最大公約数】でよいと
割り切っている節があります。

そして、
市場の毎日毎日、毎年毎年の営みに対する
(なんと云いますか、)
信頼感』のようなものがあります。


そういう意味で、
○ 時価総額の比率で、
各銘柄が構成されている。

○ 時価総額の比率で、
各国の割合が構成されている。

というのは、
もっともパッシブらしい概念
(=もっともインデックス投資らしいもの)
とわたしは感じます・・。

ただし、
異なった資産同士の
【組み合わせ】そのものについては、
時価総額比率で考える必要は別にないのですよ。

来年もインデックス投資ナイト、楽しみです♪

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