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金利がマイナスになる世界って、これまでの延長で捉えていいの?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今から20年後、
地方都市の駅前にあるパチンコ店などは
姿を消していて、

そこには
シルバーハイツ喜寿や、
ファミレスならぬ「シニ・レス」や、

病院やデイケアセンターなどが
建っているとわたしは思います。


日常の「変化」というものは、
毎日毎日、ほんの1ミリずつ起こりますね。

ですから、
ずっとその事象を見続けていると、

【かえって変化に気付きにくくなる。】
というパラドックスが存在するのです。

(たとえば、

「ワタシ、仕事の関係で
毎年2月に20日間前後だけ、
日本に滞在していますよ。」
という人のほうが、

日本の【本質的な変化】に
気付きやすいのではないでしょうか・・)


今、日本で、
どんな『本質変化』が起こっているのか、
その指標となるのが、

【金利】です。

そう、あの【金利】です。

interest-rates-300x217.jpg


日本では『マイナス金利』が導入されて、
クルマのローンや
住宅ローンの金利が下がってきています。

これで、
「高額なモノが買いやすくなるよね!」と、
消費が盛り上がったりするのでしょうか?

あなたはどう思いますか?

(ワタシはNO、だと思います。)


あなたもわたしも、
心のどこかで、

お金を借りるのに
ほとんど金利が付かないという世界に、


【怪しさのようなモノ】
感じているのではないでしょうか。


そもそも、
ですが、

【金利】って、
いったい何なのでしょうか?



誰かがお金を借りるときには、
必ず相手方として貸す人がいます。

お金の貸し借りの際に、
金利が付く】ということは、

「お金という『商品』に、
何らかの価値があるよね」と、

貸す人、借りる人が、
同意している証しではないでしょうか。


~【金利】とは、
お金の【レンタル料】のことです。~


(そして【金利】が付く、
ということが、

広い意味での
『資本主義のスタートであった』と思います)


発展途上の国々では、
インフラ、生活必需品など、
モノ・サービスの需要が旺盛です。

お金を借りる人は、
金利】を払ってお金を調達しても、

その金利分を上回る
収益】が見込めると算段しているわけです。

そう、
支払い金利 < 期待収益 の世界・・

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また、一般的に、

★ お金を殖やすほう、
そして借りるほう、
両方の【物差し】になっているのが、

長期の金利』です。

(ふつう、
「新発の10年物の国債の利回り」が
【長期金利】の指標となります。)


ちなみに、
★ 2月19日の
日本の長期金利は・・、

ナント0.011%でした。
(ここ、もっと驚いてください!)


以下、
あくまで架空の話ですが、

仮に、
住宅ローンの金利が0%になって

「借りたお金だけ
返してくれればOKですよ。」


という事態が起こったら、

<一大住宅ブーム> とか、
起こるのでしょうか・・?

(あなたはどう思いますか?)


たとえば、
長期金利が「3%」程度あれば、

お金を貸すほうにしたら、

「まあ、長期でお金を貸すなら、
年率3%プラスアルファの利息を
取らないとダメだよね」

ということになります。

では、借りるほうは?

長期でお金を
年率3%プラスアルファで借りても、

収入も増えるだろうし、
インフレも進むだろうし、
大丈夫、なんとかなるよ。」

という心境なのではないでしょうか。


現に金利が付く、ということは、

私たち生活者の
未来に対する【期待】の表れ、
なのです。

(金利 < 期待収益 の世界・・)


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逆に【金利が低い】とは・・?

未来に対する【成長期待】が
低いということに他なりません・・。


今、2016年2月18日現在の
米国の長期金利は・・、
ナント1.724%です。

2015年1月には、
スイスで歴史上はじめて

長期金利がマイナスとなりました。

(日本もすでに、
長期金利のマイナスを経験しています)


長期金利がマイナス!』

これって実は
驚愕に値することであり、
人類史上初のことなのです・・。

わたしはこれを、
単に景気循環的な現象として
見てはいけないと思います。


私たちは、
(欧州の人たちもそうですが、)

明らかに、
今まで開いたことのないドアを開けています。

それは、
【金利が付かない世界】への扉です。


【金利】が、
お金の『レンタル料』だとすると、

長期金利がマイナスになるとは、

「お金という『商品』に、
価値なんてなんにもないよね。」
と言われているようなものです・・。


仮に、
住宅ローンの金利が
0%になる世界が出現すれば、

それは、

★ たとえば3000万円を貸す「貸し手」が、
この先デフレの世界が続いて、

3000万円という『債権の価値』が
実質増えていく、
と予想していることにならないでしょうか。


わたしの専門である
資産運用の世界】で言いますと、

たとえば、
長期金利が「3%」程度あれば、

お金を殖やす人は、

「10年くらい運用するなら、
最低年3%くらいのリターンは見込めるよね。」
と算段するはず・・。


私たちの周りにある、

たとえば、
あなたの年金保険料を運用するGPIFや、
企業年金(確定給付型)なども、

そこそこ「長期金利」が付いていた頃の
【感覚】を引きずって、
資金運用の見通しを
立ててしまったりしています。

(もちろん、
私たち個人投資家もそのきらいがあります。)


マクロ的に見ると、

〇 多くの先進諸国が
ゼロ金利にあえぎ、

資産運用を行う際の「期待リターン」が
下がっているにも関わらず、

長期金利が高いときのイメージで
「これくらいのリターンは獲得できるはずだ」
的に年金運用が行われ、

その運用の成果を当てにして、
そこからの引き出しを待っている
年金受給者の数が、

増加の一途を辿っているという
『現実』があります・・。

⇒ この【ミスマッチ】って、
けっこう深刻な問題ではないでしょうか・・。



「えーっと、カンさん。
なんか今日はちょっと悲観的だよね。

でも、このマイナス金利って、
自然にそうなったのではなく、

中央銀行による
金融緩和政策の一環なんでしょ?」

はい、
それは、その通りです。


では、
何のために、
中央銀行は、


この、究極の
金融緩和策を行っているのでしょうか?

【インフレ】を起こすためです。
(あるいは通貨高を防ぐため。)

img_5.jpg

今日はちょっと堅苦しい展開で
恐縮なのですが、

そもそも、ですよ、

中央銀行に
人為的にインフレなんて
起こせるのでしょうか・・?


(たとえ起こせたとしても、
そのインフレーションを、
人為的にコントロールできるのでしょうか?)


続きは次回に・・。


あっ、今回の記事は
以下の【ふたつの書籍】に触発されて書きました。








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