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世界の投資信託残高は、この30年で(ナント)28倍に! その1)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

ちょっと
20世紀的な言い方ですが、
投資信託のいちばんの功績って、

投資を大衆化したこと。
にあるとわたしは思います。

「誰でもちょっと触ってみられる。」
「ムリなく分散投資ができる。」

これまで何十万、何百万の
お金がないと買えなかったものを、
小口化』した功績はとても大きいと思います。


今日、
投資信託という商品は、
世界中で普及していて、

★ 投資信託が流通するにつれ、
⇒ 投資が大衆化し、

⇒ その国の経済の発展にともない、
⇒ さらに投資信託を買える大衆が増加し、
⇒ さらに投信残高が増える・・。

という『好循環』が続いています。


【世界】

公募投信の資産残高
1985 年末の1.2 兆ドルから
2015 年末には34.1 兆ドルへ。

約28 倍に拡大!
(※ ETFを含みます)

次!
世界の投資信託が保有する
『株式時価総額』は、
推計で約16.9 兆ドル(2015 年末現在)

これって、
世界の株式市場の時価総額
約62.8 兆ドルの
およそ27%に当たります。

pic_c_5.jpg

つまり?

つまり、
【株式を保有するイメージ】そのものが、
大きく変化しているということ。

端的に申しますと、
『投資信託』を通じて、
株式投資をするという形が

世の中に定着しつつあるわけです。

それと同時に、
『機関投資家』としての
投資信託の存在感、役割も増しています。


一方、
【日本】です。

日本の公募投信の残高

1985 年の19.97 兆円から、
2015 年の97.76 兆円へ。
5倍に拡大。

投資信託が保有する国内株式の、
東証株式時価総額に対する割合は
およそ3.9%・・。(2015 年末現在)

(んー、ちょっと寂しいですね。)


今、わたしがつらつらと述べたことは
なんとなく感覚で言ったのではなく、

日本証券経済研究所の
杉田浩治さんが書かれたレポート、

世界の投資信託30 年の変化と今後の課題』(PDF)
(平成28 年5 月12 日)
に基づいています。

このレポートは、
過去30年の投信市場の拡大の理由、
日本国内との比較、

また投信市場の今後の課題を
簡潔に(かつ分かりやすく)まとめています。


杉田さんはレポート内で、
過去30 年間の
投資信託の『質的変化』について触れられています。

具体的には
3つの潮流】を挙げています。

それは、

(1)グローバル
(2)コスト意識の高まり(ETF の拡大)
(3)IT 化の進展
 です。


たとえば、
アメリカ人って
「自分の国が世界の中心」って
思ってしまうところがありますね。

そんなアメリカでも、
株式投信残高のうち
海外株式ファンドが占める割合は、

1985 年の7.1%から2015 年には
25.8%に上昇しています。

資金の流出、流入でみても、
2005 年以降は、
国内株式ファンドよりも
海外株式ファンドの方が、

純増額】(購入額-解約額)が
多くなっているそうです。


また、自国の市場規模が小さく、
もともと海外投資が
盛んであったヨーロッパでも、

ますます海外に投資を行うファンドの比率は
高まっています。


mutualfunds-edit.jpg


次に【日本】です。

日本では、
株式、債券の合計で
外貨建ての比率が

1985 年末の8.8%から
2007 年末には58.5%に高まりました。

(これは円安が進行したこと、
外貨建て資産に投資を行う
毎月分配型ファンドが人気を博したためでしょう)

2015 年末現在では、
上記比率は34.5%となっています。

(わたしは中長期的に
投信に占める外貨建ての比率が
60%、70%近くになっても
不思議ではないと考えます。


なぜなら、
円建て資産に対するリターンは
限られる可能性が高いためです・・)


次に、
『コスト意識の高まり』については、
ETFのみならず、

投資信託の【購入時手数料】についても
触れられています。

アメリカでは、
購入時手数料ゼロの
『ノーロード化』が進んでおり、

MMF以外の投信残高のうち、
ノーロードファンドの占める割合は

2001 年の44%から、
2014 年には66%へ拡大している模様。

また、投信の年間経費率(継続コスト)も
年々低下しています。


翻って、【日本】です。

日本ではいまだに
購入時手数料を徴収しようとする
店舗型の銀行、証券会社が
数多く見受けられます。

また、IFA、金融仲介業者も
投資信託を販売することによって
生計を立てているため、
(いわゆる『コミッション収入』がベース)

当然のように、
購入時手数料を徴収しています。


あるいは、
運用管理費用については、
年率1.6%を超えるファンドも
数多く見受けられ、

「商品・サービスが普及すればするほど、
消費者にとってのコストは下がる。」

という経済原則が、
未だ当てはまっていない状況です。

ただし、インデックスファンドでは
本格的な【コスト競争】が始まっており、
消費者の側を向いた
サービス業の萌芽も見られます。


crisis-management.png


レポート内では、
投資信託の拡大要因のひとつとして、
確定拠出年金』が挙げられていますが、

「面白いな」と思ったのは、
オーストラリアです。

以下、レポートより
引用いたします。

15 年末現在の
世界の国別投信残高(後掲図表4)を見ると、

1 位が米国で世界全体の約半分を占め、
6 位に人口2,400 万人の豪州が入っている。

(オフショア・ファンドの設立基地国である
ルクセンブルグとアイルランドを除くと
豪州は第4 位である)。

米・豪の両国はDC 年金制度が
発達していることで知られ、まさに
DC が投信発展のエンジンとなっている。


実はオーストラリアでは、
強制型の企業DCである
スーパー・アニュエーション」が普及しており、

従業員は好むと好まざるに関わらず
運用と向き合わざるを得ない状況なのです。


これは何を示唆しているのでしょうか?

⇒ 日本での投資信託の
「伸びしろ」はとても大きい、
ということです。

昨日5月24日、
「個人型確定拠出年金」(個人型DC)の
対象を広げる改正法案が、
衆院本会議で可決成立しました。

この改正法案、
何がスゴイかというと、

〇 誰でも入れる、
〇 国が主宰する
〇 自己責任の
〇 年金制度が、誕生した。


という点がすごいのです。


これまで
個人型DCは、
「自営業者」「企業年金のない会社員」
のみが加入できました。

今後は、

「公務員の人」
「企業年金のある会社員の人」
「専業主婦の人」も
個人型DCの対象になり、

『現役世代が誰でも入れるインフラ』が
ようやく出来上がったことになります。
(およそ6700万人が対象になると云われています)

(※ 余談ですが、書籍の方面でも、
山崎元さん、大江英樹さんなど、
著名な著者が
相次いで「確定拠出年金の本」を
出される予定だとか・・)


誤解を恐れずにいえば、
日本人の多くはこれから、

「個人型確定拠出年金」というしくみを
通じて、


好むと好まざるに関わらず、
投資と出会い始めていく、
ということなのです。


(裏を返せば、国は、
将来的な公的年金制度の
役割の縮小、
その準備を着々と進めている、

ということでもあります・・)

続く・・)


世界の投資信託30 年の変化と今後の課題』(PDF)
(平成28 年5 月12 日)
杉田浩治さん(日本証券経済研究所)

◆ 参照記事【「隠れた税優遇」普及へ機運
確定拠出年金、主婦らも対象に 法改正、金融機関も動く


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