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バランスファンドの意外な効用とは?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

「一日一日を懸命に過ごそう。」

そう言われて、
2、3日は
「ああ、そうだな」と思えても、

人は澱のような日常に
すぐに舞い戻ってしまいます。

結局のところ、
よく生きるための最善の策とは、
『死』を積極的に意識することだと
わたしは思います。

(私たちは毎日毎日、
死に近づいているわけですから・・)


最近は「終活」という言葉がありますね。

○○について、
△△についても、
そして□□のことは・・
というふうに、

時間をかけて、
諸々の『死の準備作業』が
出来るようになったのは、
素晴らしいことだと思います。


(それだけ社会が豊かになった証拠。)


今からお話しするのは、
横田さん(仮名)という、
当オフィスのお客様の体験談です。
(ご遺族から許可をいただいてお話しします)

横田さんは82歳になられたときに、
当オフィスにお見えになられました。

横田さんはそのとき、
すでに「終活」を始めており、

(たとえば)
自身の『お葬式』について
詳細を決めておられました。


わたしは実際に
横田さんの「エンディングノート」を
拝見したのですが、

葬儀の規模、
葬儀業者や会場について、

お花や音楽について、
葬儀代金についての希望、
宗派や戒名など、

とにかく
こと細かに記されていることに
(なんと云いますか)
わたしは『衝撃』を受けました・・。


要は、
わたしと横田さんでは、
「死」までの 距離感 がまるで違うのです。

たとえば
終末医療について、

<わたしはこのような形を希望する。>
と意思表明することは、

(当然ですが、)
体が健康なうちにしか出来ません。

しかし、
体が健康なうちはふつう、

最後の医療(治療)について
考えを巡らすことなどしないわけです。

わたしは横田さんの、
物事に対する『潔さ』に感銘を受けました。

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お金、ご資産についても同様です。

その残し方を考え、
きちんと整理整頓しておくことって重要です。

しかし、上記作業は
それなりにエネルギーが必要なため、
どうしても億劫になりがち・・。

また、資産に関しては
希望観測的に、

「子どもたちが話し合って、
いいように分けてくれるだろう。」
と思いがちなのです。



しかし横田さんは違っていました。

資産のたな卸し、資産の整理整頓も、
『終活』の一部として
しっかり認識されていたのです。

私たちは、
横田さん所有の
預貯金、債券、株、投資信託、
保険商品、貴金属などについて、

それをどうしたいのか、
どうするべきなのか、
じっくり話し合いました。

★ つまり、
このコンサルティングは、
資産を殖やすためのものではなく、

資産を円滑に継承させるための、
『全体図』(ポートフォリオ)を
作る作業だったのです。


(わたしにとっても初めての体験でした・・)

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よく、
形見分け」という言い方をしますね。

故人にゆかりのある人に、
遺品を引き取ってもらうことです。

貴金属の類は
「形見分け」に属するでしょう。

それらの資産には色があり、
具体的なモノであり
その効用が分かりやすいためです。


一方、
預貯金、債券、株、投資信託、
保険商品というのはどうでしょう?

正直に言って、
引き継ぐほうにとっては、
「無機質な『かたまり』のようなもの。」

これら資産は
色が見えにくく、

誰がどの資産を引き継ぐかで、
その資産の「生かされ方」も変わってしまいます。



特に預貯金という資産は、
文字通り「現金のかたまり」であり、

小さく分けて気軽に引き出せたりするので、
一面『怖さを持った資産』でもあります。


横田さんには、
娘さんがふたりおられました。
三人いるお孫さんにもいくばくか、
資産を引き継がせたいとお考えでした。

どのように資産を遺すかで
横田さんが
もっとも気に掛けられたのが、

「資産を遺すことで、
子どもたちが
へんにお金に頼ってしまわないか。」


という点です。


また、横田さんには、
引き継ぐ人が、

資産を育てるという、
運用の部分を
できれば認識して欲しい。


というご希望もありました。

幸い、娘さんふたりは
生活に困っている状況ではありません。

また、お孫さんは
未成年であるため、
実質的には、
娘さんが資産を管理することになります。


わたしは横田さんに、

ポイントは、
引き継いだ資産との
『距離感』の醸成です。


と申し上げました。

全部を預金にしてしまうと、
距離感を保つのが難しい側面がある


(横田さん自身も、
資産の重みを伝えきれないという理由で
すべて預金という形は望んでいませんでした)

また、
リスク資産を組み入れるとしても、

誰が何を引き継ぐかで、
平等性が崩れてしまうことは避けたい


これも横田さんのご希望でした。

(※ ここでいう「平等性」とは、
引き継ぐ資産の額ではなく、
引き継ぐ資産の種類における平等性のこと。)

たとえば、

○○さんには 株式を。
□□さんには 債券を。
△△さんには 投資信託を。


という、
【個別対応型】の資産の遺し方では、
平等性は担保できません。

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最初にお会いしたときに、
わたしは横田さんに、
(『練習用』として、)
遺言を書かれることをお勧めしたのですが、

その理由は、

自分の資産を、
それを受け継ぐ人に
具体的に分けていくという作業が、

いかに骨が折れるものかを
実感していただくためでした。


諸々を考慮した結果、
わたしは横田さんに
「バランスファンド」+「預金」という
資産のカタチをお勧めしたのです。


今回の目的は、

横田さん自身の余生を
心地よいものにするための
「ポートフォリオ」であるとともに、

次世代に効率的に
資産を引き継がせる
全体図(ポートフォリオ)作りで
あったため、

国・地域的にも、
資産的にも
十分に分散された金融商品

=『バランスファンド』を
組入れることが
もっとも理に適っていると判断しました。


ここでは金額ベースは
伏せますが、

引き継がせる
資産額の割合は、

お孫さん6%
お孫さん 6%
お孫さん 6%

娘さん 41%
娘さん 41%
 


としました。


ただし、お孫さんには
時間の利益を考え、
「バランスファンド」のみを、

娘さんには
「預金」 6割
「バランスファンド」4割
という形で、

最終的に
遺言に記したのです。

(この全体図を実現するため、
一部の生命保険を除き、

ご所有のリスク資産をすべて売却して、
「バランスファンド」を買い付ける作業を
行いました・・)

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ひとりの娘さんは
若干の投資経験をお持ちでしたが、

それでも
引き継ぐ人たちにとっては、

この「バランスファンド」は
無機質なかたまりに
映ったことでしょう・・。

でもそこには、
横田さんのメッセージが
込められているのです。

「エンディングノート」の中、
娘さん、お孫さんへの
メッセージのところで、

この「バランスファンド」について、
横田さんは次のように書いておられます。

もし、この資産に
興味が出てくるようなことがあれば、

「運用のレポート」(月報)を
読んでみることを勧めます。


そう、これは、
横田さんからの、
【学びなさい。】という遺言なのです。

横田さんは文字通り、
『立つ鳥跡を濁さず』を実践された
立派なお方でした・・。

似顔絵




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