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さよなら、グロソブ。あなたの罪は大きいと思います


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

※ 今回の記事は、
当オフィスの『メールマガジン』と
同時進行の企画となります。

【クイズ】

日本において、
いわゆる『毎月分配型ファンド』の先鞭をつけたのは、
いったいどのファンドでしょう?

【答え】

当時の国際投信投資顧問が運用を始めた、
『グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)』
です。

(1997年12月に運用を開始。)

そう、
『グロソブ』の愛称で有名ですね。


この投資信託、
日本の【ファンド史】に
大きな影響を与えることになると思います。

(もちろん、悪い意味で、ですが。)

そのグロソブが、
今月から
(基準価格あたりの)分配金を
月『10円』に改めました。


運用レポート
(ウィークリーレポート)はこちらです。


「とうとう月10円になったか・・」
というのがわたしの正直な感想。

8月19日現在)

グロソブの 基準価格 4,900 円
    純資産残高 6,992.7 億円

(当ファンドは最盛期、
純資産残高が5兆円を超えていました)

『グローバル・ソブリン・オープン』の
最大の罪は、

たくさんの投資家の卵を、
安易な消費者に、
貶めた点にあると思います。



ほんらい、
投資信託という商品は
その『損益』が決まっていません。

したがって
私たち投資家は、
気持ちの中に『耐性』をもち、

不確定なリターンを許容する精神を
育むことが求められます。

(ちょっと硬い言い方でスミマセン・・)


しかし、
グロソブという商品は、

あたかも
決まった利息がもらえるような
装飾を施し、


それを
多くの消費者に信じ込ませて、

投資家として
心の中に『耐性を持つ』機会を、
奪ってしまったわけです。

(もちろん、グロソブに限らず、
すべての『毎月分配型ファンド』が
上記に当てはまります・・)


実はわたしの仕事
(資産運用の相談業)も、

少なからず
グロソブと関わってきました。

〇 グロソブを大量に購入して、
その分配金で、
リートの毎月分配型ファンドを買う人や、

〇 グロソブを保有し続けたが、
基準価格が下がっていることに気付き、
販売した地方銀行と訴訟寸前までいった人。

〇 グロソブを保有しながら、
その分配金で
住宅ローンを返済する人にもお会いしました。

(ホントの話です。)


『グローバル・ソブリン・オープン』は、

〇 今、
〇 確実に、
〇 この【小さな実】が手に入りますよ、という、

あなたの耳に心地よいだけの
誤った事実】を伝えてきたのです・・。


financial_planner.png


人は誰しも、

10年後に
もらえるかどうか分からない
「100万円」よりも、

今月もらえる「1万円」を
有り難がってしまうもの・・。

しかしそれは、
まだ背丈が低い【小さな木】から、

深い思慮もなく
【小さな実】を
摘んでしまうことであり、

現在の自分の「欲」が、
将来の資産の「成長」を
犠牲にしてしまうことに他なりません・・。



今現在、
『グローバル・ソブリン・オープン』を
お持ちの方は、
早急に解約されたほうがよいでしょう。

このファンドをはじめ、
毎月分配型ファンドでは
これまでにも
頻繁に起こった現象ですが、

★ 月の【分配金】が減ると、
ファンドの【解約】が増えます。



【解約】が増えるということは、
運用会社が想定する以上の
『キャッシュ』が必要になる、

ということ。

(ちょっと想像してみましょう・・)

上記の、
予定外の『キャッシュ』を捻出するために、

今、運用に回している債券、リート、
株式などを、

(運用会社の意に反して)
売却しないといけないケースも
出てくるでしょう。

その結果、
ファンドのパフォーマンスが悪くなり、

(結果、)
さらに【分配金】の原資が減ってしまう、
という「悪循環」になりかねません・・。

実際のところ、
毎月もらう【小さな実】は、

多くの場合
自分の元本を犠牲にして、
払い出されているに過ぎないのです。

main-image.jpg


⇒ グロソブは、
1998年~2000年にかけて、

(基準価格あたり)
【60円】の分配金を出していました。

2001年の1月以降、
7年半以上も
月【40円】の分配金を出し続け、

2009年8月から2013年12月までは
月【35円】の分配金であり、

そして、
2014年1月より、

分配金を(基準価格あたり)、
【35円】から【20円】に変更し、

そして
2016年8月から、
分配金を【10円】まで引き下げています。

it_photo_119452.jpg

どうして【分配金】を
「10円」まで引き下げる必要があるのか?
あなたなら、分かりますね。


グロソブの基準価格 
10,000円 ⇒ 4,900 円 ・・・


『毎月分配金』という、
悪しき慣習によって、

〇 不確実性に慣れ、
〇 価格変動を享受し、

〇 今ではない、将来に
大きな果実を得ようとする、

【投資のスピリットそのもの】が
損なわれてしまったのは、
なんとも残念なことです。


グロソブの勃興期、
販促の指揮を執った
当時の国際投信投資顧問の
幹部の人たちは、

もう定年退職されたのでしょうか?

(悠々自適のセカンドライフを
送っておられるのでしょうか。

ちなみに、
グロソブは保有されているのかしら?)


【毎月分配型ファンド】の
一大ブームが起こった結果、

日本の投資信託の
「純資産残高」は
何十兆円かかさ上げされ、

その純資産額の中から
金融機関は報酬を得て、

そのお金で、
何千人という社員の給与が支払われ、

新しいタイプのパソコンが購入されたり、
新たなCMスポットのために
巨額の広告料が支払われたり
しているのでしょう・・。


【毎月分配型ファンド】のおかげで、
日本の投資信託のマーケット規模は
何倍にも膨らんだ。

はい、それは事実でしょう。

しかし、

消費者に対して
「誤った投資の認識」を植え付け、

健全な投資家が育っていく
【大切な素地】を葬ってしまったツケは、
とてつもなく大きい気がしてなりません・・。


◆ 金融審議会
「市場ワーキング・グループ」(第4回)
平成28年8月2日(火)

事務局説明資料』(PDF)の8ページに
次の文言が載っています。

2015年度に、
毎月分配型投資信託の新規設定は、
金額ベースで10%以下に減少。

投資信託の分配頻度の
残高比率の推移(残高ベース)では、
毎月分配型投資信託が60%台を維持。


似顔絵




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