現行NISAは始めずに、1年待って積立NISAにしたほうがよいと思います
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
このブログをお読みのあなたは、
わたしが現行のNISA制度に
懐疑的なのをご存じかと思います。
【再び、(復習?)NISA口座はどうさ? 良くないさ】
しかし・・、
『積立NISA』は
だいぶ改良されています。
こちらは(特に若い人にとっては)
使える「箱」になっていると思います。
次の通常国会に、
「平成29年度税制改正大綱」に基づく
改正法案が提出され、
それが可決されれば、
2018年1月から、
『積立NISA』が開始される予定です。
(今の時点ではまだ不確定要素がありますが・・)
今すでにあるNISAは
『現行NISA』と呼びましょう。
とすると、
⇒ 2018年以降、NISA制度は
『積立NISA』と『現行NISA』という
ふたつのタイプが共存することになります。
現行NISAよりも、
『積立NISA』が優れている点が3つあります。
1.【非課税期間】
『積立NISA』の
非課税期間は20年です。
正確に言いますと、
2018年から始まる20年間・・
2019年から始まる20年間・・というふうに、
1年ずつズレた、
【異なる20種類の20年間】が
存続するしくみです。
大和総研さんのレポート
『税制改正大綱―積立NISA の創設等』より、
図表を引用させていただきます。

(※ 現行NISAと違って、
積立NISAではロールオーバーはない模様・・)
1年あたりの投資限度額40万円は
決して大きいとは言えません。
(ココはぜひ引き上げてもらいたいもの!)
が、20年という年月は、
文句なく【長期】と云えるでしょう。
最大投資可能額(年)
40万円 × 20年 = 800万円
これが ↑『積立NISA』における
投資可能額の上限です。
が、しかし。
冷静に考えてみますと・・、
800万円の枠を全部使い切るには、
そこそこの「若さ」が必要です。
(最初の20年は2018年に始まり、
最後の20年は
2037年に始まるわけですから!)
たとえばワタシなど、
2037年には(すでに)
69歳!になっています(-_-;)

2.金融商品の選択肢が絞られている
『積立NISA』では
利用できる道具は、
投資信託、ETFに限られる見通し。
しかも、
毎月分配型ファンドや
ブル型ベア型ファンド、
また通貨選択型などの
オプションを利用したファンドも
除外されるようです。
これって・・?
きわめてまっとうな判断だと思います。
ふつうの生活者が長期で
資産形成するための『道具』。
そういう「絞り込み」を行っているわけです。
(※ 投資信託の信託期間についても、
20年以上もしくは
無期限のものに限定される模様。)
3.資金投入のしかたを
『つみたて』に絞っている
ふつうの生活者が
無理なく長期投資するためには、
資金投入のタイミングに苦慮しなくてよい
『つみたて』が最適でしょう・・。
なお、
「平成29年度税制改正大綱」の中では、
『現行NISA』は
その期間の延長を謳われていません。
つまり、
『現行NISA』は(現行通り)
2023年拠出分まで、
2027年までの期間として終了し、
『積立NISA』に1本化するのが
金融庁の意向ではないかと
わたしは推測します。

⇒ まだNISAを始めていない人は、
慌てて『現行NISA』をする必要はないでしょう。
(1年待って『積立NISA』を
チョイスしたほうがよいと思います)
⇒ 今すでに『現行NISA』を実践している人は、
2018年以降、
『積立NISA』に移行されたほうがよいと思います。
(大和総研さんのレポートを見ると、
現行NISAと積立NISAは、
「年ごと」の選択制と記されています。
また、同じ1年の中で、
現行NISAと積立NISAの併用はできません)
次回以降、個別のケースでより深く
『積立NISA』について見ていきたいと思います。
