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証券会社もマネー雑誌もその本質は変わっていない?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

もうずいぶん昔の話ですが、
橘玲さんの本の中で、

投資家が全員、
「長期保有」になってしまえば、
証券会社は「倒産」してしまいます。


という旨の文章を読んで
「あー、なるほど・・」
と思ったものです。

もちろん、
上記は「個別株」に限った話ですが。


証券会社は、
あなたやわたしに(株式を)
売ったり買ったりしてもらって、
利益】が上がるわけです。

そして、その頻度が高いほど、
売買委託手数料という名の収入が増えます。

一方、私たちは、
株式を売ったり買ったりしたからといって、
【利益】が増えるとは限りません。

(逆に、売買を繰り返せば繰り返すほど、
リターンが低くなる可能性が・・)

このように、
証券会社と私たちは
本来的に【違う景色】を見ています。



コツコツ投資家にとっては
衝撃かもしれませんが、
ネット証券でさえ(いまだに)
その稼ぎ頭は、「個別株」と「FX」なのです。

たとえば、
2016年3月期の、
楽天証券の収益の37%以上は
株式・デリバティブから。

そして、収益の約17%は
FXからの手数料収入です。
これを合わせるだけで約54%になります。

一方、投資信託からの収益は
11%程度に過ぎません・・。
楽天証券 2016年3月期「決算説明資料」より。


つまり、少々下品な言い方をしますと、
証券会社の収益って

顧客にどれだけ頻繁に
株式や通貨を売り買いしてもらうかに

かかっているわけです。

この事実は、なかなか悲しいもの。

ちょっと周りを見渡してみてください。

世の中には根強く、

特定の株式、通貨を選び、
それをうまく売り買いすることが
すなわち「投資」であるという、
『思い込み』がはびこっていますが、

この種の『思い込み』をはびこらせる
「動機付け」が

(残念ながら)証券会社には存在するのです。


(※ 誤解がないよう申し上げると、
わたしは低コストの投信、ETFなどを品揃えしてきた
ネット証券の表の顔の部分には、
素晴らしい!と拍手を送る者です)


そして、
特定の株式、通貨を選び、
それをうまく売り買いすることが
すなわち「投資」であるという
風潮を後押しするのが『マネー雑誌』です。

わたしはコンサルティングをお受けいただくお客様に
あなたとお金の親密度を測るための55の質問】を
事前にお渡ししています。

その25番目の質問がコチラ!

(マネー雑誌を買った人がある方のみ)
今年の上昇株(ファンド)はこれだ!というタイトルを見て、
マネー雑誌を買ったことがありますか?


マネー雑誌は
投資信託の情報も載せてくれますが、
投資信託の情報がメインになることは
ありません。

マネー雑誌のコンテンツのメインは
(あくまで)株式、通貨(FX)なのです。

カンさん、それってなぜ?

理由はかんたんです。

マネー雑誌は
『広告収入』で成り立つビジネスであり、
その広告主としてもっとも影響力があるのが
証券会社、FX取引業者だからです。


(つまり原理的に、
マネー雑誌のメインコンテンツは
株式、通貨(FX)になってしまうわけです・・)

わたしは
弊所のお客様で
マネー雑誌を見ている方がおられたら、

「もう、その種の雑誌は
見ないほうがいいと思いますよ」
と申し上げています。


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また、マネー雑誌だけでなく、
経済誌、大衆誌でも、
しばしば『株式特集』が組まれますね。

上記の雑誌群は、
いったいどんな時期に、
株式特集の記事を載せるのでしょうか?

これもかんたんですね。

「株価が上がっているとき」です(笑)


多くの消費者は
株価が上昇することによって
株式投資に興味を持ちます。

株価が上がっている状況で
株式購入を考える読者は、

「これからが本番。もっと上がるよ!
こんなにいい材料が揃っているんですから!」
と、

自分の背中を押してくれる情報を
無意識に望んでいるわけです。

その大衆の欲求を、
雑誌の株式特集が満たしている
という側面があります。

その結果、どうなるのか?

世間にはびこる、

特定の株式、通貨を選び、
それをうまく売り買いすることが
「投資」であるという思い込みを、
さらにあと押ししてしまうのです。


そして、
これらの特集記事を読んだ人たちは、
「証券会社」の上顧客になる可能性大です。

(なんと罪深い・・)


ほんとうに読者の利益を考えるなら、
少なくても一流の経済誌は、

「株価が下がって、
マーケットが閑散としているとき
」にこそ、
『株式特集』を組むべきだと思いませんか。

なぜなら、そのときこそ
『チャンス!』なのですから。


163861447.jpg


わたしはFacebook上
週3回、
「本日の金言(カネゴン)」と題して
お金に関する格言をアップしているのですが、

以前、
こんな格言を載せたことがあります。

週刊現代と週刊ポストが
「日経平均株価2万円越えへ。
上昇相場に乗り遅れない特選銘柄20!」
と言い出したら、そろそろ天井なのです。


はい、そうなのです(笑)

今でも思い出すのは、
2013年の日本銀行の
「量的・質的金融緩和」の導入のあとです。

あの年は株高・円安が進み、
わたしのような者にも、
複数の雑誌から取材依頼がありました。
(すべてお断りしましたが・・)


株価が上昇するとき、
もう、ピークをつけそうなときに
投資関連の情報量は
うなぎ登りに増えます。

たとえば、日本株式の例でいうと、
日経平均株価がどんどん上昇してくると、
株式の売り買いの量は増えるわけです。

あなたがその雑誌を手に取るまえに、
その雑誌の裏面を見てみてください。

もしかすると、ではなく、
けっこうな確率で
証券会社の全面広告だったりしますよ。


あなたは証券会社やマネー雑誌や、
ネット上の諸々のエンターテインメント的な
華やかな情報に惑わされず、

(それらは↑オトナの悪ふざけと達観し、)

地味で目立たないコツコツ投資を
粛々と続けてくださいね。

◆ 参照記事
【娯楽としてのマネー雑誌
【ネット証券さん、答えはもう左胸のポケットに入っています】

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