『ロボ・アドバイザー』って利用すべきなの?
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
わたしは、
投資ビギナーの人には、
ロボ・アドバイザー【無料版】を
利用してみる価値があると思います。
少なくとも・・、
『複眼的なセンス』が養われます。
投資の初心者は(どうしても)、
『単眼的な』モノの見方をしてしまいがち。
たとえば・・、
「(金融商品は)どれがいいんですか?」
みたいに。
資産運用は(実のところ)、
〇 何を選ぶかよりも、
〇 複数の投資対象を
どう組み合わせるのかという「視点」が重要なのです。
『組み合わせ』、そして
『組み合わせのメンテナンス作業』
= 資産運用 と捉えれば、
感情リスクが介在しない
「ロボ・アドバイザー」にもメリットがありそうです。
アウターガイさんの記事
【無料で試せるロボ・アドバイザーのサービス一覧(2017年7月19日時点)】
では、
無料版、有料版、
特定タイプをはじめ、
さまざまな「ロボ・アドバイザー」のサービスが
網羅的にまとめられています。
(とっても分かりやすい!)

とにかく一度、
「ロボ・アドバイザー」が提供する
【質問】に答えてみましょう。
自分が背中に負える
『リスクの大きさ』について、
考えるきっかけになるはずです。
(『リスク』をコントロールする、
地道なプロセスこそ、
資産運用の長い長い「友」なのです・・)
わたしは【無料版】の中では、
松井証券の『投信工房』という
「ロボ・アドバイザー」サービスが
ベストだと思います。
(以前、こちらの記事でご紹介しましたね)
では、
【有料版】の「ロボ・アドバイザー」
(主に投資一任契約による)は、
どうなのでしょう。
利用すべきなのでしょうか?
わたしの考えは
『利用しなくてよい』です。
まず、継続的にかかる手数料が
けっこう高いです。
概ね年間 0.7~1%程度、
継続コストがかかるのが一般的。
(別途、ETF、インデックスファンドの
運用管理費用がかかります)
仮に、年間0.8%、
「ロボ・アドバイザー」サービスで
継続コストがかかるとしましょう。
当然ですが、
あなたのポートフォリオは、
あなたの【リスク許容度】に合わせて
提案されますから、
たとえば、
あなたがそこそこ『保守的な考え』を
お持ちの人だったとします。
リスクの許容度がすごく
高いわけではなく、
たとえば、
【株式40%、債券60%】の提案を受け、
(それにあなたも納得して)
ロボ・アドバイザー(有料版)に
運用のメンテナンスを
すべてお任せするとします。

以下、あくまで
当オフィスの考え方ですよ。
国際分散投資を行い、
かつ、インデックス投資を選択する場合、
世界株式の期待リターンを
+6%程度と見積もっています。
世界債券の期待リターンは
半分の+3%程度です。
【株式40%、債券60%】の
ポートフォリオを持つあなたは、
6% × 40%
3% × 60% という計算式で、
おおよそ『プラス4.2%』のリターンが
期待できるとしましょう。
が、そこから、
(運用管理費用とは別に)、
サービスの【継続コスト】が
年0.8%引かれるわけです。
この年0.8%は、
今の例の期待リターン
『4.2%』から見ると、
【コスト比率】にして
19%余りになります・・。
これを大きいと思うか、
小さいと感じるのか・・。
(わたしはけっこう大きいと思います)
(※ もちろん、あなたのポートフォリオが
より積極的で株式の割合が大きくなれば、
ポートフォリオの期待リターンも高くなり、
ロボ・アドイバイザーの継続コストの
コスト比率も下がります・・)
さらに言えば、
「ロボ・アドバイザー」【有料版】は、
ETFを使うにしろ、
インデックスファンドを使うにしろ、
みなすべて
「インデックス投資」を行うわけです。
あなたが自ら
自分の手で「インデックス投資」を
行う場合と比較して、
★「ロボ・アドバイザー」【有料版】が
常に、
年間0.8%以上の超過リターンを
獲得できるのでしょうか・・?
(あなたはどう思いますか?)

先ほどの例でいうと、
常に
年間0.8%以上の超過リターンを
獲得できてはじめて、
自分で「インデックス投資」を行うより、
「ロボ・アドバイザー」を利用したほうが
結果リターンが高くなるわけです。
(※ 上記は個々の金融商品にかかる
運用管理費用の部分に差がないと
仮定しています。
また、自分で行う、ロボに任せる、
いずれの場合も同じリスク許容度を
想定しています)
あなたが自分で「インデックス投資」を
行うのと、
年間0.8%の継続コストを支払う
「ロボ・アドバイザー」による
「インデックス投資」が
同等の結果リターンを残すためには、
「ロボ・アドバイザー」が
かなり上手に、
各投資対象の【配分割合】を
変えていく必要があるのでは?
と感じてしまうのは
わたしだけでしょうか?
★ そもそも両者とも
「インデックス投資」を実践するため、
よほど大きく
資産運用のセオリーを逸脱しない限り、
または、よほど上手く、
特定の投資対象から
超過リターンを獲得できない限り、
大きなリターンの【差】は
生まれにくいとわたしは考えます。
そういう意味でも、
年間0.7~1%の
さらなる【継続コスト】は
大きすぎるのではないでしょうか・・。
さてさて、話は変わりますが、
以下は【バロンズ】の記事です。
『増えるロボアドバイザー、評価は?』
以下、米国の話ですが、
ロボアドバイザーの先駆者であるベターメントは
この5月で7周年を迎え、
運用資産残高91億ドルというのは、
独立系会社としては最大規模であるらしいです。
「Betterment」

上記【バロンズ】の記事によると、
ベターメントのロボアドバイザー手数料は、
メールでのやり取り付きで
投資資産の0.25%、
また、0.4%の手数料で
人間によるアドバイスも
無制限で提供しているのだそう。
以下は、
わたしが以前に調べた内容です。
同じく米国の大手「ロボ・アドバイザー」会社
「Wealthfront」 も、
Advisory Fee(手数料)は
年間0.25%。
また、「バンガード」では
Advisory Fee(手数料)は年0.3%です。
同社では、
ロボアドバイザーの顧客も
投資対象の入れ替えは
人のアドバイザー経由で行う必要があるとのこと。
最後に、
オンラインブローカーの
チャールズ・シュワブが提供する
「Schwab Intelligent Portfolios」は、
ETFによるポートフォリオ構築、
モニタリング、
自動のリ・バランスサービスを含んで
Advisory Fee(手数料)はナント「ゼロ」なのです。
(最低預入れ金額5,000ドル)
※ 上記いずれも
ETF等の運用管理費用は別途かかります。
上のような米国における
年間手数料の「料率」と比較すると、
日本で提供されている
「ロボ・アドバイザー」(有料版)の継続コストは
いかにも割高に映ってしまいますね。
【追記】
なるたくさんの記事もぜひチェックしてみてください。
【ロボアドバイザー7社の実績比較。この1年間のパフォーマンス。】
そして、
水瀬ケンイチさんの記事です。
【ロボアドバイザーなどの Fintech についてどう思うか】
