SBI証券の「投資信託定期売却サービス」はもっと進化できるはず
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
あなたは、
『何のために資産運用を行うのか?』を、
きちんと考えてみたことがありますか?
多くの人にとって
資産運用とは、
老後において、
少しでも余裕のある生活を送るために行うもの。
であるはず・・。
(そうですよね?)
つまりは、
とても「継続的な行い」なのです。
この「継続的な行い」という本質に応えるには、
金融サービス提供側も、
『継続性』をアピールする必要があります。
たとえば、
当オフィスでは
つみたて投資を【拡大解釈】しています。
すなわち、
「定期的なつみたて」~「定期的な引き出し」までを
含めて、(あえて)つみたて投資と呼ぶのです。

【ちょうど富士山に登って下りてくるまでのイメージ】
つみたて投資を行う目的は、
投資信託を徐々に解約していって、
(最終的に)そのお金を、
楽しく使うことにありますよね?
昔むかし、遠足に行った帰りに、
学年主任の先生が言っていました。
「家に帰るまでが遠足ですよ!」と。
それと同じように、
「投資信託を解約して、
それを使っていくまでが投資ですよ!」
と申し上げたいのです(^^;)
(ところで)、SBI証券の
【投資信託定期売却サービス】が誕生して
早くも5年が経ちました。

上記は、
SBI証券で保有している投資信託を、
定期的に(かつ自動で)、
取り崩してくれるサービスのこと。
※ 今のところ『金額指定』のみ。
(1,000円以上1円単位で利用が可能)
このサービスでは、
〇 あなた自身が
定期解約の「金額」を決められます。
〇 また、解約の頻度も
「毎月コース」「奇数月コース」「偶数月コース」の
中から選べます。
SBI証券はこの「定期売却サービス」を
続ければ続けるほど、
収入(※ 運用管理費用の一定割合)が
減っていくわけです。
(顧客の投資信託残高を
減らしていくサービスですから・・)
それでも、
継続的な行いである、
資産運用の本質部分に応えようとする
姿勢は立派だと思います。
ん?
(あまり)褒めすぎると
よくないかもしれません・・(^^)
実は、この【定期売却サービス】も
発展途上にあるとわたしは考えます。
私たちの生活ベースでは、
【定額】で売却していくことが
なじみやすいとは思いますが、
本当は、
定期【口数売却】という選択肢も
設けてもらいたいのです。

ちょっと「おさらい」しておきましょう・・。
『定期的つみたて』とは、
定時【定額購入】のことです。
毎月『定額』で購入すれば、
価格が安いときは多くの口数を、
価格が高いときは少ない口数を
購入することになり、
平均購入価格を抑えることが
可能になります。
これをそのまま、
定時【定額解約】に
当てはめますと・・。
〇 価格が安いときは多くの口数を、
〇 価格が高いときは少ない口数を
【解約】することになります。
定期的な売却とは、
『少しずつ、儲けを取り崩していくこと』
に他なりません。
したがって、
価格が安いときに
多くの口数を売却することは、
やはり不利な部分があります・・。
(注: わたしは「同じ金額ベース」で
売却していく利便性の高さも十分評価する者です)
少し想像してみましょう・・。
投資信託を、
定期的に【同口数】で解約していくと、
価格が下がったときは
もらえる『金額』が減ります。
逆に、価格が上昇しているときは、
(同じ口数でも)
もらえる『金額』が増えます。
その結果、
ファンドの価格が下がったときに
多く解約してしまうことが
避けられるわけです・・。

SBI証券の
上記サービスを評価するがゆえに、
消費者の選択肢を増やすため、
ぜひ、
【定期・口数売却サービス】も
設けてもらいたいものです。
そして、
(さらに欲張るならば)
【定期・定率売却】というサービスも
導入していただければ(なお)嬉しいです(^^;)
これはどういうことかといいますと、
最初に(たとえば)
3%という『率』を設定しておき、
毎月解約であれば、
3%÷12 = 0.25%ずつ、
自動的に
投資信託が解約されるサービスのこと。
ファンド価格が上昇すると、
同じ0.25%の売却でも、
もらえる金額は増えます。
逆に、ファンドの価格が下落すると、
同じ0.25%の売却でも、
もらえる金額は減ることになります・・。
『率』で引き出しの管理を行うことで、
ファンド価格が暴落したようなときには
【少なく】取り崩すことになり、
元本の大きな毀損を
避けることが可能になります。
一例ですが、
(長期的に)
〇 投資信託が年率3%で成長した
〇 投資信託を年3%ずつ解約した
ということになれば、
20年経っても、
投資信託の『名目価値』は変わりませんね。

最後に・・、
どうしてSBI証券は
このようなサービスを実施しているのでしょう?
それは(もちろん)
預かり資産残高を増やすためだと思います。
(わたしの勝手な憶測ですが)、
SBI証券の目標は
野村證券を抜いて
預かり資産残高トップの証券会社になることでしょう。
膨大なシニア層のニーズに応えるため、
この『投資信託定期売却サービス』はさらに多様化し、
やがて大々的に宣伝されるようになると
わたしは予想します・・。
