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購入時手数料を廃止すれば、販社と運用会社の力関係が変わり、投資信託の回転売買もなくなるでしょう


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

先月、
ダイワDBモメンタム戦略ファンド」という投資信託が、
大和証券で発売になりました。

これを運用するのは、
〇 大和証券の系列会社である
〇 大和証券投資信託委託(運用会社)です。

このほか、
〇 野村アセットマネジメント(運用会社)で
作ったものを、
〇 野村證券(販売会社)で売ったりしていますね。

銀行系でも、

〇 三井住友信託銀行が、
〇 三井住友トラスト・アセットマネジメント
(運用会社)の運用するファンドを販売するなど、

投資信託では今でも、
一種独特でかつ偏狭な
【タテ割り系列・流通ルート】が存在します。


だって・・、
このほうがより儲かりますから(-_-;)

【系列ルート】の中で商売をしたほうが、
購入時手数料と、
運用管理費用のほとんどが
『グループ内』に還流し、
利益が大きくなるわけです。

換言すると、
それだけ消費者(投資家)の利益が
犠牲になっているということ・・。


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昨年(2016年)に行われた、
日本証券アナリスト協会
「第7回国際セミナー」での
森信親金融庁長官の講演で、
次のような発言が為されていました。

これまで資産運用会社は
投資信託の製造においても
お客様のためになる商品より、

「系列の親会社が販売しやすく
手数料を稼ぎやすい親会社のためになる商品」を
作ってきていなかったでしょうか。

(中略・・)

私はこれまで、販売会社が
系列の投資信託会社の作った投資信託を勧めたり、

ラップ口座で
運用を系列の資産運用会社が行うなどの
囲い込みのような行動が、

顧客のBest interestのために
行動していると言えるか、
といった問題意識をずっと持ってきましたが、
(以下略)


(問題の本質を↑ズバリ突かれていますね)


たとえば、
野村グループの例で云うと、

系列のトップにいる野村證券の
投資信託の販売力は絶大であり、
それが【力の源泉】となっています。

そして、そのチカラゆえに、

『運用会社』は
『販売会社』の顔色を伺いながら、
(販売会社の要望を叶えるような)
ファンド作りをしてしまっている・・。

では、
【販売会社】がどうして
大きな影響力を持てるのか?

【購入時手数料】という名の
収入のためでしょう・・。



★ シンプルに、
購入時手数料の『数字』のほうが、
運用管理費用の『数字』より
大きいためです・・。

【購入時手数料】という
巨大なアメがぶら下がっているために、

(既存のファンドの)
資産を育てるよりも、
新しいファンドを
売ることが優先されているのです。



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ここに、
【販売会社】 > 【運用会社】
という『力関係』が生まれます。


また、販売会社は、
購入時手数料の『数字』の魔力によって、

顧客に対し、
次のファンドを勧める
いわゆる『乗り換え営業』の誘惑から
逃れられなくなります。

じゃあ、このような悪癖を
取り除くにはどうすればよいか?

フィデューシャリー・デューティーを
徹底させるべく、
根気よく金融機関を監督・指導していく・・?

いえいえ、
(実は)答えはカンタンです。

投資信託の【購入時手数料】を
廃止すればよいと思います。



【購入時手数料】という概念がなくなれば、
ファンドを売っただけでは
「収入」が入ってこなくなりますから、

ひとつのファンドに
どうやってたくさんお金を集め、
どうやったら長く保有してもらえるか・・、


そこに(自然に)知恵を絞るようになります。
(新発売ファンドの本数も劇的に減るでしょう・・)

投資信託の『成績』そのもの、
投資信託の『中身』そのものが
『注視』されるようになるわけです。


⇒ そうすれば、
『販売会社』と『運用会社』の
力関係】も変わってくるでしょう。

なにせ、ファンドを作り、
実際に運用しているのは
『運用会社』なのですから・・。

【販売会社】 < 【運用会社】・・

(同じような投資対象ファンドの
『統合』機運も高まってくるのでは?)

163861447.jpg


また、
【購入時手数料】がなくなれば、

Aファンドから
Cファンドに『乗り換え』を促す
インセンティブも失せてしまいます。

『販売会社』はより多く、
(かつ)より長く、
投資信託にお金を預けてもらうために、

既存ファンドの【評価】を
熱心にし始めるでしょう。


(何しろ、↑
運用管理費用という名の
【けいぞく的な報酬】がかかっていますから)

ここに至って、
「既存ファンド」と「新発売ファンド」の
逆転現象が起こると考えます。


わたしは(以下、あくまで私見ですが)
監督官庁は、

ゲームの中の
プレーヤー達に、
直接口を出す必要はないと思います。

「このボールの蹴り方はよくない」とか、
「あのボールの投げ方を範にすべし」と、
個々の事柄を個別に指導するよりも、

ゲームの【ルール】そのものを変更し、
その【新たなルール】の『管理』に専念するのが
ほんらいの姿ではないでしょうか・・。

ルールを変えます!
『購入時手数料を廃止。』

たったこれだけで、
投資信託の世界はずいぶん変わるはずです。

似顔絵




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