世界経済インデックスファンド、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、ほんとにアクティブファンドなの?
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
つみたてNISAの『商品ラインナップ』では、
世界経済インデックスファンド、
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとも、
『アクティブ型』に分類されています。
が、
両バランスファンドはまぎれもなく
『インデックスファンド』であると考えます。
バランスファンドとは、
【複数のアセットクラスの組み合わせ】です。
たとえば、
「世界経済イ・ファンド」は、
6つのマザーファンド(インデックスファンド)を
つまみ食いして、組み合わせを作っています。
また、「セゾン・バンガード」は
8つのインデックスファンド(バンガード社)
そのものを自ら組み合わせています。
ここで重要なことは、
組み合わせを行っている元の【素材】でしょう。
(何ですか?)
両ファンドとも、
時価総額加重平均というルールに則った
「インデックスファンド」のみを
【素材】に使っています。
6つなり、8つなりのインデックスファンドの
【組み合わせ方】を、
仮に、市況に応じて頻繁に変え、
また、「株式50:債券50」という
基本組入れ比率のところも
機動的に動かしたりすると、
これは「タクティカル・アセットアロケーション」に
限りなく近くなり、
『アクティブファンド』と言われても
仕方がないでしょう。
が、セゾン・バンガード(2007年~)
世界経済イ・ファンド(2009年~)
とも、
「株式50:債券50」という
基本組入れ比率は変えていません。
たとえば、
「時価総額の比率を勘案して・・」
「地域別のGDPを参考に・・」
という、運用方針の文言に、
運用会社の恣意性が感じられる
といえば、たしかにそうでしょう。
現に、
「世界経済イ・ファンド」は、
年に1度、組入れ比率の
見直し機会を設けています。
そして、2009年に運用を開始して以来
すでに3度、
「日本・先進国・新興国」の配分比率を
変更しています。
しかし、これは
世界の営みの変化に応じて、
漸進的に行う
『資産配分の調整作業』の範疇に
入るのではないでしょうか・・。
(セゾン・バンガードもしかりです)
「いや、カンさん、
資産配分は完全なる固定にしないと!
たとえば、
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
みたいに!」
ん? それってどうなのでしょうか。
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、
8つの異なったアセットクラス
(マザーファンド)に投資を行います。

この8つのマザーファンドはすべて、
時価総額加重平均に基づく
『ピュアなインデックスファンド達』です。
それらを、
運用会社の【組み合わせ方】
= ひとつの考え方 に基づき、
大胆にも、12.5%ずつ均等に保有しているわけです。
この『配分の仕方』に、
アクティブ的要素はないのでしょうか?
(わたしは「ある」と思います)
(たとえば、
東証REIT指数マザーファンドなど、
時価総額の大きさで比較すると、
かなり「オーバーウェイト」していることになります)
しかし、
それが「悪い」というわけではありません。
【複数のアセットクラスの組み合わせ】である
バランスファンドでは、
その【組み合わせ方】において、
大なり小なり、
運用会社独自の考え(個性)が入るのは
当然であり、
すべてのバランスファンドは
『アクティブ的要素を持つ』、
といってもいいくらいなのです。
たとえば、
真にパッシブな
「世界経済イ・ファンド」を作ろうとすれば、
【元の素材】が
時価総額加重平均なのですから、
たとえば株式における、
日本株式、先進国株式、新興国株式の比率も
『時価総額』の比率に基づくべきでしょう。
(国・地域の株式の時価総額は変化しますから、
そのまま放置しても、
時間の経過とともに、配分比率は変遷することになります。)
そして、
株式と債券(ほぼ国債)の割合も、
世界の株式市場と、世界の国債市場の
『時価総額の比率』を採用すべきではないでしょうか。
(結果、債券の割合のほうが
株式より大きくなるのでは?・・)
今日このお話をしたのは、
複数のお客様からメールで問い合わせを
いただいたためです。
お客様へ・・。
【当オフィスの見解】はこうです。
世界経済インデックスファンド、
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとも、
立派に『インデックスファンド』であります・・。
◆ 菟道りんたろうさんのこちらの記事もどうぞ。
「世界経済インデックスファンド」も「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」もインデックスファンドです
