「増やす」のベクトルが染み付くと、「使う」が不得手になってしまう
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
端的に云って、
A お金を貯めるのが得意な人は、
お金を使うのが不得手です。
B お金を使うのが得意な人は、
お金を貯めるのが不得手です。
わたしは仕事柄、
「A」の側の人と
接する機会が多いのですが、
お金を「貯める」、「増やす」の
ベクトルが染み付いたあと、
まったく真逆の
お金を「使う」に向かうのは、
口で言うほど簡単なことではありません。
具体的にはこうです。
『定年退職』して、
〇 運用そのものは続けますが、
〇 公的年金で足りない部分の「お金」を、
投資信託の【部分解約】で賄っていく・・
つまり、
ファンドを連続して売って、
(そして)そのお金を
連続して使っていくという、
これまでとは正反対の
なんとも【新たな習慣】を、
身に付ける必要があるのです。
これ、最初は戸惑って当然でしょう・・。
仮に、65歳時点で、
預金等 50%
投資信託 50%の
「資産配分」になっているとしましょう。
お仕事からの
定期収入がなくなると、
やっぱりちょっと心細いですから、
「取りあえず、
足りない生活費部分は
預金から取り崩していこう!」
と思ってしまいがち・・。
実は↑このパターンは
「増やす」のベクトルが
染み付いた人ほど陥る傾向にあります。

でも、預金からばかり
資金を取り崩していくと、
当然、
年を重ねるにつれて、
リスク資産(投資信託)の
割合が増えてしまいます・・。
仮に、年間150万円程度
「資金」が必要なら、
この場合は、
預金等から 75万円
投資信託から 75万円 と、
半分ずつをめどに、
『取り崩す』べきなのです。
※ その心は?
いつでも「同じリスク量」を
背負っていこうよということ。
また、仮に
上記のしくみに納得できたとしても、
投資信託の成績がマイナスの年に、
ファンドを売って、
お金を使うことに
抵抗を感じるお客様は多いです。
(お気持ちは重々分かりますが・・)
しかし、すでにあなたは、
【真逆のベクトル】に踏み出しているわけです。
投資信託の運用を続けて
10年のうち2~3年は
【マイナスの収益】になるのって、
想定済み。
いや、経験済みのはず・・(笑)

ファンドが下落した年も、
正々堂々と
【部分解約】を行うべきでしょう。
なぜなら、
お金の『ゴール』とは?
ファンドを継続的に売って、
そのお金を楽しく使っていくことです。
この『ゴール』に至るまでの、
『壮大なプロセス』が資産運用なのですから。
また、
「増やす」のベクトルが染み付いた人ほど、
自分で注文して、
投資信託を売っていくのが不得手です。
ここは『しくみ』に委ねたほうが合理的でしょう。
わたしは楽天証券さんや、
マネックス証券さんも、
同様のサービスを(いつか)
始めてくれると信じて疑わないのですが、
今のところ、
当サービスを実施しているのは、
SBI証券さんだけです。
『投資信託定期売却サービス』

(【使う】を得意にするための強力な助っ人でしょう)
最後に、
ヘンな言い方になってしまいますが、
どうしても
お金を使うのが不得手なままの人は、
子どもさんに
(つみたて投資をするという前提で)
いくばくかお金を渡していく、
つまり「暦年贈与」していくというのも、
アリではないでしょうか・・。

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