全米株式 VS. 全世界株式、どっちがいいの?
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
「米国の上場株式を、
ざっくり全部買いたいんです!」
そんなわがままな要望に
応えてくれるのが、
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)であり、
また、それを内包する
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」です。
VTIのファクトシートを見ると、
このETFが連動を目指す指数は、
投資可能な米国の上場株式を
ほぼ100%占める旨が書かれています。

★ まさに、
【市場まるごと投資】が
実現できるわけです。
この30年で見ても、
米国市場はもっとも成長性が高く、
かつ流動性に富んだマーケットと云えます。
「カンさん。
米国株式を網羅しておけば、
世界経済の成長は
おおむね享受できますよね?」
そう聞かれるお客様もいます。
ん?
「あなたはどう思いますか?」
1月末まで
米国が稀に見る
「安定した上昇相場」であったため、
米国市場に対する【信頼感】が
一段と増してきた感があります。
(たとえば、この1、2年で
米国株、米国ETFに関する情報量が
ずいぶんと増えましたね)

著名ブロガーである
kaoruさんのこちらの記事のように、
直近3年、5年のデータを挙げられ、
「全世界株式(VT)」は
「S&P500 ETF(VOO)」に比べ、
意外とリスクが大きいことを
指摘される方もおられます。
※ それだけ米国市場が
安定性に富みながら
成長を遂げている証左でしょう。
米国市場の存在があまりにも大きく、
また事実として、
アメリカ経済が世界をけん引しているため、
「全米株式」のみに投資を行うのは、
手堅い考えであるようにも思えます。
それでも、
「カンさん。
全米株式と全世界株式、どっちがいいのですか?」
と聞かれたら、
わたしは、
【全世界株式】と答えます。
理由はカンタンで、
今後もアメリカ経済が
これまでと同じように
世界をけん引するかどうかは、
誰にも分からないためです。
それに、
『全世界株式』は、
『アメリカ株式』を含みますから、
あえて『全米株式』に
投資対象を絞ることはないのでは・・。

ちょっとだけ寄り道をさせてください。
そもそも、
インデックス投資の根底には、
【選ばないこと】が内包されています。
これは、
時価総額の比率に応じて、
【市場全体(すべて)を捉える】という考え方です。
少しだけ昔ばなしになりますが、
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)は、
「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」の
サブクラスとして運用を始めました。
本家の「トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」の運用開始は、1992年のことです。
【市場全体(すべて)を捉える】という主旨の
インデックスファンドが、
バンガード社から出てきたのは
至極当然といえるでしょう。

なぜならバンガード社には、
【選ばない投資】
=【市場全体を捉える】という哲学が、
隅から隅まで息づいているからです。
2008年に登場した
「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)は
もしかすると、
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の世界版を作る!
という意図で、
組成されたのではないでしょうか?
今、VTは47の国の株式を内包しますが、
その『47の国』を、
『47の株式』とイメージすると、
分かりやすいかもしれません。
たまたま今は、
アメリカ 52.0%
日本 8.4%
イギリス 6.0%
カナダ 3.2%
中国 2.9%
・・・・・・
となっていますが、
(VTの12月末現在の、
国別構成比)
VTは何も選ばず
市場全体(すべて)を捉えるだけですから、
仮に15年後も、
米国市場が、
他の市場を上回って成長を続けていれば、
たとえば、
VTの中身は、
アメリカ 75.0%
日本 5.2%
イギリス 7.0%
カナダ 4.2%
中国 8.3%
みたいになっていたりするわけです。
またあるいは、
私たちの予想に反して、
米国が大きく落ち込みながらも、
他の市場(特に新興国市場)が
堅調に推移した場合、
15年後のVTは、
アメリカ 36.0%
日本 5.2%
イギリス 6.0%
中国 12.0%
インド 10.5%
ベトナム 2.8%
というふうになっていることも、
あり得るわけです。
「どう転ぶかは分からない。
だから、すべて持っておく。」

〇 米国市場が
今後長らく堅調に推移しても、
〇 万一、世界経済の
けん引役が代わることがあっても、
市場全体を捉える投資、
つまり『全世界株式』への投資は、
どちらでも・OKなのです。
(世界経済が成長している限り・・)
【選ばない投資】とは、
ヒトの生き物としての本能に背く、
ある意味、
とても高度なスタイルであります。
そしてもっとも退屈であることも
また明らかなのですが・・(^^;)
最後に、
F・L・アレンの有名なひと言を。
「時の流れはしばしば同じ道筋を取るが、
それはいつも新しい方向に進んでいく。」
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