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三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングに登壇いたしました(インデックス運用のあれこれ)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

先般のブロガーミーティングの折、
三菱UFJ国際投信さんにお願いしていた「工場見学」が
今回実現するということで、

一参加者としても、
とても楽しみにしていた今回のミーティング。

必見!青井ノボルさんが
包括的な記事を書いておられます。
三菱UFJ国際投信の運用現場見学付きブロガーミーティングに参加



第3部ではわたくしカンが
インデックス運用部・国内株式グループのチームリーダー、
村松さんにインタビューをさせていただきました。

題して『インデックス運用のあれこれ。』



当日配布された資料の中に、

インデックス運用とは、
指数を「模倣(もほう)」する運用手法のことです。


と記されていて、

IMG_2152.jpg

・・なるほど。
と思った次第です。


インデックス運用って

「指数が組み入れるすべての銘柄を、
その比率通り買っておけばよい!」


という単純なものではないのですね。

(上記は「完全法」と云います)

「完全法」は指数との乖離は小さくなりますが、
コストが高くなってしまうことも・・。


そもそも運用の現場では、
時間もお金もエネルギーも
『制約』がありますから、

どうすれば
精緻な模倣(もほう)ができるのか、
「智恵」を絞らないといけないわけです。

たとえば、
各銘柄の「キャラ」を十分に理解して
最適化法】で指数との連動を目指すとか・・。


〇 どの銘柄を多めに組み入れ、
〇 どの銘柄を除外すれば、

今の時点で
指数との乖離がもっとも小さくなるのか?


この最適化法の『モデル』を作って、
更新していく過程は、

サイエンスというよりは
アートに近いんだろうなぁとわたしは感じました。


続いて「先物」です。

先物を入れたインデックス運用って、
ちょっと危ない?

あるいは運用をサボっているという
イメージがあるのですが、
(それは違います・・)

下図が、分かりやすいです。


先物


運用の実際では、
まだファンドに入金されていない「配当金」などが
毎月のように発生します。

お金は入っていないけれど、
純資産として計上しなければならず、

運用者としては『先物』を利用しないと、
指数そのものの上昇に
追いつけなくなってしまうわけです。

(また、海外株式では「先物」を利用することで、
有価証券取引税のようなコストを除く努力もされているのだそう。)


そして、運用報告書に
開示されていない売買コストについて。

運用報告書の見所のひとつに、
「トータルコストが分かるよ!」があります。


トータルコスト


(例:eMAXIS Slim 先進国株式の運用報告書
『1万口当たりの費用明細』のところ)


株式を売り買いしたときの
売買委託手数料って?
外枠でかかってくる費用』です。


ところが、
ファンド運用の実際では、

売買時の手数料が
売買価格に含まれているケースが
多々あるのだそう・・。

これは『内枠でかかる費用』ですね。


負担するコストをシビアに見極め、
わざわざ『内枠』を選択するケースがあるわけです。

(村松さんによると、国内株式の運用で
特に多いのだそう・・。)


わたし、インタビュ-中に
ふと思ったのですが、

「債券ファンド」ってそもそも、
『外枠でかかる』
売買委託手数料がありません。

債券の売買は、
手数料がすべて『内枠』でかかっているのです。



皆さん、お気づきかと思いますが、
現状、投資信託の運用報告書の書式では

『外枠』の、
売買委託手数料の開示しかありません。



「内枠も外枠も合わせて、
売買手数料で
ホントはいくらかかったのか?」という、

統一の『ひな形』にしないと、
他ファンドと比較しても
客観的な評価が出来ないですよね。



※ ここは投資信託協会などの団体が
しっかり対応すべきではないでしょうか。

さらに言うと、
指数算出会社に支払っている
インデックス(指数)の使用料
「ライセンス・フィー」も、

運用報告書の中で
開示する必要があると思います。

(なぜかというと、
「ライセンス・フィー」に
いくらかかっているかを明示することで、

運用会社ごとの、
指数算出会社に対する
支払額(フィー)が明らかになり、
相互の比較も容易になり、

それをきっかけに
フィーの価格交渉を行う気運が
醸成されるかもしれないためです)



また、費用ではなく、
ファンドの収益となる
貸株(レンディング)による収入
も、
併せて、運用報告書で開示してもらいたいものです。


02d928c.jpg


今回のインタビュ-を通じて
インデックス運用の中身って、


ーたとえば、

流動性の低い銘柄を
買っていく必要があるときに、

出来るだけ目立たず、
かつ適正価格で買うために

何日もかけて
少しずつ買っていく姿勢とか、

―バスケット発注といって、

同じような注文があれば
いくつかのファンドを束ねて
できるだけボリュームを厚くして

少しでも良い条件で
(=コストを低くして)
約定を目指したりとか、

ー複数社の証券会社を相手に
取引ごとに、電子システム上で
コンペを実施したりとか、―

もう地味で
目立たない
小さな工夫を

コツコツ積み重ねているんだ・・

と実感した次第です。

「あれ、カンさん。運用工場見学については?」


すみません、
また別記事で改めてご紹介いたします!

あ




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