三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングに登壇いたしました(インデックス運用のあれこれ)
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
先般のブロガーミーティングの折、
三菱UFJ国際投信さんにお願いしていた「工場見学」が
今回実現するということで、
一参加者としても、
とても楽しみにしていた今回のミーティング。
必見!青井ノボルさんが
包括的な記事を書いておられます。
『三菱UFJ国際投信の運用現場見学付きブロガーミーティングに参加』
第3部ではわたくしカンが
インデックス運用部・国内株式グループのチームリーダー、
村松さんにインタビューをさせていただきました。
題して『インデックス運用のあれこれ。』
当日配布された資料の中に、
インデックス運用とは、
指数を「模倣(もほう)」する運用手法のことです。
と記されていて、
・・なるほど。
と思った次第です。
インデックス運用って
「指数が組み入れるすべての銘柄を、
その比率通り買っておけばよい!」
という単純なものではないのですね。
(上記は「完全法」と云います)
「完全法」は指数との乖離は小さくなりますが、
コストが高くなってしまうことも・・。
そもそも運用の現場では、
時間もお金もエネルギーも
『制約』がありますから、
どうすれば
精緻な模倣(もほう)ができるのか、
「智恵」を絞らないといけないわけです。
たとえば、
各銘柄の「キャラ」を十分に理解して
【最適化法】で指数との連動を目指すとか・・。
〇 どの銘柄を多めに組み入れ、
〇 どの銘柄を除外すれば、
今の時点で
指数との乖離がもっとも小さくなるのか?
この最適化法の『モデル』を作って、
更新していく過程は、
サイエンスというよりは
アートに近いんだろうなぁとわたしは感じました。
続いて「先物」です。
先物を入れたインデックス運用って、
ちょっと危ない?
あるいは運用をサボっているという
イメージがあるのですが、
(それは違います・・)
下図が、分かりやすいです。
運用の実際では、
まだファンドに入金されていない「配当金」などが
毎月のように発生します。
お金は入っていないけれど、
純資産として計上しなければならず、
運用者としては『先物』を利用しないと、
指数そのものの上昇に
追いつけなくなってしまうわけです。
(また、海外株式では「先物」を利用することで、
有価証券取引税のようなコストを除く努力もされているのだそう。)
そして、運用報告書に
開示されていない売買コストについて。
運用報告書の見所のひとつに、
「トータルコストが分かるよ!」があります。
(例:eMAXIS Slim 先進国株式の運用報告書
『1万口当たりの費用明細』のところ)
株式を売り買いしたときの
売買委託手数料って?
『外枠でかかってくる費用』です。
ところが、
ファンド運用の実際では、
売買時の手数料が
売買価格に含まれているケースが
多々あるのだそう・・。
これは『内枠でかかる費用』ですね。
負担するコストをシビアに見極め、
わざわざ『内枠』を選択するケースがあるわけです。
(村松さんによると、国内株式の運用で
特に多いのだそう・・。)
わたし、インタビュ-中に
ふと思ったのですが、
「債券ファンド」ってそもそも、
『外枠でかかる』
売買委託手数料がありません。
債券の売買は、
手数料がすべて『内枠』でかかっているのです。
皆さん、お気づきかと思いますが、
現状、投資信託の運用報告書の書式では
『外枠』の、
売買委託手数料の開示しかありません。
「内枠も外枠も合わせて、
売買手数料で
ホントはいくらかかったのか?」という、
統一の『ひな形』にしないと、
他ファンドと比較しても
客観的な評価が出来ないですよね。
※ ここは投資信託協会などの団体が
しっかり対応すべきではないでしょうか。
さらに言うと、
指数算出会社に支払っている
インデックス(指数)の使用料
「ライセンス・フィー」も、
運用報告書の中で
開示する必要があると思います。
(なぜかというと、
「ライセンス・フィー」に
いくらかかっているかを明示することで、
運用会社ごとの、
指数算出会社に対する
支払額(フィー)が明らかになり、
相互の比較も容易になり、
それをきっかけに
フィーの価格交渉を行う気運が
醸成されるかもしれないためです)
また、費用ではなく、
ファンドの収益となる
貸株(レンディング)による収入も、
併せて、運用報告書で開示してもらいたいものです。
今回のインタビュ-を通じて
インデックス運用の中身って、
ーたとえば、
流動性の低い銘柄を
買っていく必要があるときに、
出来るだけ目立たず、
かつ適正価格で買うために
何日もかけて
少しずつ買っていく姿勢とか、
―バスケット発注といって、
同じような注文があれば
いくつかのファンドを束ねて
できるだけボリュームを厚くして
少しでも良い条件で
(=コストを低くして)
約定を目指したりとか、
ー複数社の証券会社を相手に
取引ごとに、電子システム上で
コンペを実施したりとか、―
もう地味で
目立たない
小さな工夫を
コツコツ積み重ねているんだ・・
と実感した次第です。
「あれ、カンさん。運用工場見学については?」
すみません、
また別記事で改めてご紹介いたします!
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