第8回『お客様からの質問コーナー』(取り崩し時に暴落が来たらどうする?)
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
当オフィスのお客様から頂戴した
さまざまな『ご質問』に回答していく、
『お客様からの質問コーナー!』
第8回!
鹿間 理絵さま(仮名)40代 東京都
【質問!】
カンさんの教えを守って
コツコツ積立投資に励んでいますが、
ファンド解約時(確定拠出年金なら退職時?)に
大不景気だったらどうしたら良いのでしょうか?
自分が定年退職を迎え、
いざ投資信託を取り崩そうとした時に
世界金融危機(あるいはバブルの大崩壊)が発生してしまうと、保有資産の評価額はどーんと下がってしまいますよね?
このような状況になった場合は
どのように対処したらよいのでしょうか。
特にわたしの世代(就職氷河期世代です!)は、
何かとタイミングが悪いと言われているのでとても心配です。
鹿間さん、ご質問、ありがとうございます。
結論から申し上げると、
そんなに心配されることはありません!
リタイアが決まって、
老後の生活のために、
投資信託を解約する。
上記の作業は
果たして一回きりの「一時的な行為」でしょうか?

・・否ですね。
実は、上記はたいへん長く続く
「継続的な行為」です。
鹿間さんが65歳で定年退職する1ケ月前に、
仮に世界金融危機が発生したとしましょう。
大きく目減りしたファンド資産を
取り崩す鹿間さんですが、
一度に「全部」解約されますか?
・・違います。
(一度にぜんぶ解約する必要が
そもそもありません!)
おそらく鹿間さんはその年、
公的年金等で「足りない分」のみを、
(ファンドから)取り崩すはずです。
それは・・
次の年も、同じはず。
3年後、7年後も、
同じような「取り崩し」を行うはずです。
実は、リタイア後の資産管理って、
【解約していく作業】がメインではありません。
メインはあくまで?
【運用し続ける】ことです!
そしてサブの要素として、
定期的に、少しずつ、
ファンドを解約する作業が付加されるだけ。
ココ、伝わっていますか?)

仮に定年退職後、
11年後も、18年後も、24年後も
生活費の足しとするため、
少しずつ投資信託を解約し続けたとすると、
その「24年」の中で
振り返ってみるとどうでしょう?
投資信託の評価額が
どーんと上がる年もあれば、
急落の年もあれば、
暴落の年も(もしかすると)あるかもしれません。
仮に暴落が避けられないとすれば、
上記の例で言えば、
「24年」の中で
いつ【それ】が起こるかという違いに過ぎません。
もちろん、
定年退職後「24年」も運用を続けていれば、
すごく良い年も、何度もあるはずですね。
(そのような年は、
1年間の取り崩し額以上に、
ファンドの評価額が増えているかもしれません)
リタイアしたからといって、
一度にぜんぶ解約しない効用はここにあります。
(確定拠出年金なら「一時金」ではなく、
できるだけ長い「年金方式」で
もらったほうがよいとわたしは思います)

といっても、です。
正直、定年後11年目に暴落が来るより、
定年のその年に暴落が来たほうが、
鹿間さんにとって
「手痛い出来事」であることに変わりはありません。
「対抗策」としては?
定年の時期は決まっていて、
マーケットの推移の仕方は
決まっていないわけですから、
市場の『荒波』を少しでも防ぐためには、
たとえば定年退職の5年前から、
規則的に
(トータルの資産に占める)
安全資産の割合を増やしていく等の
対応が必要かもしれません。
これは、投資信託のつみたてを減らす、
あるいは投資信託を一部解約しておくということです。
あるいはリタイアに入る前年に
大きなマイナスが発生してしまった場合、
仮にキャリア(お仕事)を
2、3年でも延長して続けることができれば、
取り崩し開始の時期を
2、3年繰り延べできますから、
その後の運用資産の推移も違ってきます。

最後に、吊ら男さんの
こちらの記事がとても参考になります。
取り崩しの時期に
リーマンショックのような【暴落】が来たらどうなる?を、
〇 まったく運用しない2000万円と、
〇 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドで
運用している2000万円で比較検証されていますよ。
鹿間さん、このたびはご質問ありがとうございました!
