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あなたのお金は覗かれています


こんにちは、
インデックス運用アドバイザーの カン・チュンド です。

(冷静に考えてみますと、)もう12月なのですね。
本当に1年はあっという間です。

この1年間、
実にいろいろなお客様との出会いがありました。

コンサルタントとして正直、
難しい対応を迫られたこともあります。

いえ、わたしが申し上げているのは、
2月末、上海市場に端を発したマーケット急落や、

8月中旬から今もくすぶっている
サブプライム問題などに対する「対応」ではないのです。

■ 銀行さんに対する「対応」なのです。


私たちは普段意識しませんが、
銀行さんは
私たちの【お金状況】をしっかり把握しています。

(それはそうですね、
預金 にいくら入っているか筒抜けなのですから・・)

 「そういえば、先日
 養老保険の満期保険金が500万円下りました・・」

 「わたしは証券会社で保有していた
 株式10銘柄と投資信託を解約して、
 3000万円を振り込んでもらったよ・・」

 「いやあ、
 長い間売れなかった不動産がようやく売れてね。
 成約価格はちょうど7000万円だったよ」

 あるいは(不謹慎な例で恐縮ですが、)

 ご親族がお亡くなりになられて、
 「保険金受取人である方に
 1億円の保険金が振り込まれる」

  んー、
  どこに・振り込まれますか?



上記のような場合、
みな「銀行の口座」にお金が入金されるはずです。

私たちは大きな金額になればなるほど、
「銀行預金」を 決済口座 として利用します。

結果、
「何百、何千万円のお金が
そこに入った」ということが、
銀行さんには筒抜けになるのです。

(このこと自体は)良い・悪いの問題ではなく、
資金移動の実態 にすぎません。

問題 なのは、
この「事実」を利用して、

銀行さんがあからさまに
投資信託・保険・変額年金
(銀行さんは投資型年金と呼びます)などの
営業 を掛けることだと わたしは思います。


(金融サービス業者の
端くれとして申し上げますと)

「何百万、何千万円のお金がそこにある」
ということを知っている、
その【情報の価値】
たいへん高価なものであると思います。

証券会社さんも、
百貨店の外商部も、
BMWの担当者も知り得ない
【貴重な情報】なのです。

その【情報】を、
銀行さんは 資金決済 という
半ば社会のインフラを預かる会社として、
必然的に知り得てしまうのですね。

(繰り返しになりますが)
知り得てしまうこと自体に、
問題があるわけではありません・・。


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今年に入って、
弊所に相談に来られるお客様の
典型的なパターンが 以下 でした。

1.あるご事情により、
まとまったお金が銀行口座に振り込まれる

2.担当と名乗る人、
それから副支店長格の人が自宅にやって来る
(もちろん、銀行の)

「このままで置いておくのですか」
「きちんと資産管理していきましょう」
ということで、
投資信託・保険商品 を勧めてくる。


3.電話 & 訪問の攻勢に遭い、
投資信託、変額年金などを契約。

(わたしが見聞きした中でいちばん多かったのが、
資産分散型、毎月分配型のファンドです・・)

4.その後、「でも、やはりおかしいな」
「いったいわたしが買ったのは どんな金融商品なのか?」

など、お客様の中で
ふつふつと疑問が湧いてくる。
(この間、金融商品を買ってから大体1~3ヶ月くらいです)


ご自分でネット、本などを通じて
様様な情報に触れられ、
「手数料がすごく高い商品かも」
「もしかしたら買ってはいけない投信を買ってしまった!?」

ということに気付かれ、
弊所にコンタクトを取られるという パターンです。

さて、
弊所がお客様との間で
コンサルティングを開始します。


何度かの話し合いの中で、
より適切なポートフォリオに移行することを
お客様自身にご決断していただいたのち、

既存のファンドを解約することになるのですが、
そこからが 大変なのです。

あるお客様の例ですが、ファンドを解約したら
いきなり銀行さんから電話がかかってきて、

「どうして解約なされたのですか?
そのお金、何に使われるのですか?」


と訊かれたといいます。

? ?


どうして解約なされたのですか?
そのお金、何に使われるのですか?

? ?

  放っておいてください。
  わたしのお金なのですから。


 (皆さん、ここ ウンウンと頷いてくださいよ・・)


(わたしがお客様からお話を伺った限りでは)
 銀行さんの営業姿勢は、
 荒くなってきているなあと感じます。

もし、あなたが望んでいないのに、
電話を掛けられたり、自宅に来られたりしたら、

「電話も、来られるのも 困ります!」
とはっきり担当者の方に告げてください。

あなたには【拒む権利】があります。

(あのー、すべての銀行さんが
強引というわけではないと思いますが)
もう少し「紳士的になってもらいたい」ものです。


Trust.jpg


諸事情により、自分の口座に
まとまったお金が入ってくるということは、
人を 不安 にさせるものなのです。

あるお客様には、
こう申し上げたこともあります。

「担当の方があまりに
ひつこく言ってくるようなら、

資産管理のことは、
ファイナンシャルプランナーの方に
一任することにしましたので、
もう電話を掛けてきたり
しないでください、と言ってください」

あるいは、
執拗な営業マンに辟易していた方には、

「顧客の意思に反して そんなことをおっしゃるなら、
金融庁の【金融サービス相談室】に電話します!
と言ってやってください」

とアドバイスしたこともあります。


銀行さんもひとつの会社として、
社の業績がかかっているのは理解します。

私たち運用者は、
「あー、あの人たちも
ノルマとかがあってタイヘンなのね」

とオトナの気持ちで金融機関さんを見る
【余裕】が必要なのだと思います。


その余裕を生むためには、
私たちは【知識武装】するしかありません。

知って、自分の身は自分で守る という
覚悟が必要なのです。


私たちが賢くならない限り、
金融機関さんは変わらないのですから・・。

似顔絵




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COMMENT

新幹線 さん

ご無沙汰しています。
(コメント、ありがとうございます)
法人相手は(もしかしたら)もっと露骨かもしれません。
(借入金も併せて握っていますから・・)

| カン・チュンド | 2007/12/11 21:21 | URL |

新幹線

まったく持って最もなご意見だと思います。証券会社より日々の資金の流れに接することが多いだけあって、それを営業に活用しようとする姿勢はわからないでもないですが、やはりその商品の特性についての知識もないままノルマ達成のためだけに無茶な販売をしている事例が、販売法施行後の現在でも多々あるのではないでしょうか。

個人相手でもこれですが、もっと単位が大きい法人相手では、どんな営業をしているんでしょう?何か想像したくないですが・・・

| | 2007/12/11 16:45 | URL | ≫ EDIT

輪田さん

そうですね。自己防衛のためには預金を複数行に分ける、あるいは
安全資産を円建てMRF、円建てMMFなどにも分散させるといったことが
必要なのかもしれませんね。

| カン・チュンド | 2007/12/06 19:28 | URL |

自己防衛するしかないですね。

そういわれると、たしかに銀行は営業面で相当有利ですね。
銀行が顧客の口座状況を調べて、金融商品の営業をかけるというのは、なんだかルール違反のように思えます。
銀行の営業マンは、本当にお客のためを思って、投信の営業しているのでしょうか?
自分の営業成績や、銀行の収入しか考えていないのであれば、とても悲しいことです。
結局、知識を身につけて、自己防衛するしかないようですね。

| 輪田@【堅実投資】 | 2007/12/06 01:23 | URL |














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