「世界を知る力」(寺島実郎氏の新書です)
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
「あなたは世界にお金を託すインベスター!」
ですよね?
ワールドワイドな投資家を目指すなら、
寺島実郎氏の新刊【世界を知る力】(PHP新書)はオススメです。
なんといいますか、「世界を見る」目の、
活性化運動を行っている心境になります。
<「世界を知る力」(PHP新書)で面白かったところ >
・1912年、与謝野晶子が
鉄幹を追いかけてシベリア鉄道に乗ったエピソード。
(そこから類推される、戦前の日本人の「世界感覚」とは?)
・ユニオンジャックの矢
(ドバイとシドニーはつながっている?)
・大中華圏について
(2008年北京オリンピックでの
胡錦濤国家主席の「演説の意味」とは?)
・ユダヤ人の国際主義
(「辺境にいる者が、物事の概念を変えられるのだ」と
実感しました)
・シンガポールの地政学的位置の重要性
(ジム・ロジャースが
シンガポールに移住した意味が分かりました)
・イスラエルの情報に対する考え方
・IT革命とグリーン・ニューディールの共通性
・世界レベルのシンクタンク、通信社が日本にはない現実
しかし、です。
圧巻は第三章の2のところです。
寺島氏は、松本重治氏の
「日米関係は米中関係である。」という言葉を引用して、
歴史的に、米中関係が
日米関係に影響を与えてきたことを喝破しています。
寺島氏は第三章で次のように述べています。
―二〇世紀初頭から続いた密接な米中関係があったからこそ
戦中の悲劇的な日米関係がもたらされたこと、そして、
戦後に米中関係の混乱があったからこそ
日米同盟がもたらされたことを忘れてはなるまい。-
(戦前、米国が蒋介石の国民党政府を支援し、
多額の援助を行っていたこと。
また、中国側のロビー活動の中心には、
孫文夫人の宋慶齢、蒋介石夫人の宋美齢の姉妹である
宋子文らがいたことはたいへん重要な史実だと思います)
また、共産中国が成立し、その後、
旧日米安保条約が締結されたこと。
そして、ニクソン米大統領の中国訪問と、
日本の高度経済成長の終焉の時期が同じという視点も
たいへん興味深いです。
寺島氏はさらにこう述べています。
―まさに、米中が連携して日本を倒したのが
太平洋戦争だった。-
戦後65年、日本はアメリカを通してしか、
世界を見てこなかったと本書は指摘しています。
(とても特殊な歴史時間なのです)
◆ 逆に、明治から大正にかけての
「柔軟な日本人の思考」を再発見することが、
今後、日本が歩むべき道を決するのではないかと
わたしは思います。
【世界を知る力】は、
今日、世界がどのように「相関」しているかを知るのに
うってつけの本です。
追記)
レバレッジ君さんも「書評」を書いておられます。
| 書評・映画・美術評 | 10:47 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑